生きづらさはどこから来るのか?【第3回】

いよいよ茂木健一郎さんと長谷川博一さんの対話がスタート。話題の書籍『生きる──どんなにひどい世界でも』の第1章「なぜ この世界は生きづらいのか」では、脳と心の両面から「生きづらさ」に迫ります。脳の捉え方によって「世界」が変わるという茂木さんに、長谷川さんはカウンセリングの現場での出会いについて話します。(火・木・土更新)

photo by 飯本貴子

「生きづらさ」は どこから来るのか?

長谷川 今回の対話の大きな目的は、「生きづらさ」について心と脳の両方の側面からアプローチすることです。まず核心にふれておきたいと思うのですが、「生きづらさ」の正体は何だと思いますか。

茂木 僕自身、「生きづらさ」を感じていた時期もありますし、「生きづらさ」を感じている人がいることも十分に理解していますが、それを差し引いても、脳がいろいろなことを柔軟に解釈する力や可能性は、もっと評価されていいと考えています。

 つまり、「日本の現状が生きにくい」「社会と自分の関係が厄介だ」と考えるのは、自分の評価の結果であって、どちらかというと脳の一つの解釈の仕方だということです。

 例えば、こんな有名な話があります。

「アフリカに二人の靴のセールスマンが視察に行った。その国では誰も靴を履いていなかった。一人は会社に〝あの国では誰も靴を履かないので靴は売れません〟と報告した。もう一人は〝あの国では誰も靴を履いていない。大きなチャンスです!〟と報告した」

このように同じ状況でも、世界は捉え方によって変えられるということです。今、僕自身は、なるべく明るく前向きに事態を見ようと思っています。

長谷川 なるほど。それでも現実問題として、「生きづらい」という感情を抱えている人はたくさんいますよね。

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生きる──どんなにひどい世界でも

茂木 健一郎,長谷川 博一
主婦と生活社
2019-07-19

この連載について

初回を読む
生きる──どんなにひどい世界でも

茂木健一郎 /長谷川博一

「生きづらさ」の正体は何なのか? 現代社会の病理はどこにある? 脳科学者と臨床心理学者が出会ったとき、いのちが動きはじめ、世界の見え方が変わります──。7月19日発売の書籍を全文公開。

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コメント

megamurara このお二人の話、かなり引き込まれます。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

20040401hades #スマートニュース 2ヶ月前 replyretweetfavorite