高嶋政宏や沢村一樹の下ネタから考える

テレビに出るたび繰り返す下ネタ発言が人気の高嶋政宏。ただそれは、セクハラと隣合わせでもあります。今回の「ワダアキ考」は、そんな高嶋政宏や沢村一樹の下ネタ発言から、現代のセクハラ問題について考えます。

「どこまでセクハラか」とか言う

「最近じゃ、こんなのもセクハラになっちゃうかな!」という力強い前置きの後で投じられたあれこれが概ねセクハラであるのは、その言葉というよりその姿勢がハラスメントだからなのだが、「じゃあ、どこまでがセクハラで、どこからがセクハラじゃないの?」と、自分の言動をジャッジして限界に挑もうとする様子を見て、いや、ハラスメントというのは、ぶつける側の果敢な挑戦でどうなるものではなく、受け取る側がどう捉えるかですよと何度でも繰り返し確認したくなる日々が続く。

「おやおや、今夜はデートかい?」はセクハラだとわかりました、では、「素敵なイヤリングだね、今日は何かあるの?」はどうなのでしょう、とハードルを下げて、セクハラにならない限界を追い求めるのはどうしてなのだろう。「あっ、これはセクハラになるかな」と怯えるくらいがちょうどいいと思うのだが、「どこまでならセクハラにならないのか!」というチキンレースに臨んでしまう。

「最近、コンプライアンスが厳しくて……」

その昔、「福山雅治ならば下ネタが許されるのに自分はどうして」と思っていた時期があり、別に解決したわけでもなく、自分にも許可しろよという強欲が幸いにもすくすく育たなかっただけではあるのだが、そもそも「福山雅治なら下ネタが許される」という定義自体、なんの論拠もない。彼の下ネタを受け付けない人も、許せない人も、当然、数多くいるはずである。15%の人が許容する下ネタと、88%の人が許容する人の下ネタを前に、パーセンテージで比較したってしょうがないのである。「イケメンならでは驚異の許容率!」という売り文句は、許容しない人を早速見捨てているし、当人は、そういう人が生じないように、吐き出す場面を慎重に管理してきたはず。

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往復書簡 無目的な思索の応答

又吉直樹,武田砂鉄
朝日出版社
2019-03-20

この連載について

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

die_kuma 考えてほしいし、考えたい。あと考えている人を叩いたり嘲ったりしないでほしいなあ。 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

neneko_youtube |ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜|武田砂鉄|cakes(ケイクス) んーモヤモヤする。 https://t.co/Ns72KtqeYT 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

peaceplease1981 いや、ハラスメントというのは、ぶつける側の果敢な挑戦でどうなるものではなく、受け取る側がどう捉えるかですよと何度でも繰り返し確認したくなる日々が続く。https://t.co/cepMtcclru #武田砂鉄 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

ppaypp >下ネタを言い続ける覚悟をもてはやし、下ネタを嫌がる人たちの勢いを煙たがる。それって覚悟なのだろうか。 約2ヶ月前 replyretweetfavorite