家庭料理は作る人によって違う、だからいい

家庭料理は、作る人によって微妙に味が違うもの。レシピが簡単に見れてしまう今「こうでなければいけない」とつい思ってしまうこともあります。でも、もっとゆるく、自分のできることから始めてみれば、もっと料理のハードルは下がります。「食べることは生きること」。野崎さんが今だから伝えたい、料理のこと、おいしくなるコツをお伝えします。5月16日発売『おいしいごはんの勘どころ』(学研プラス)より特別連載。

作る人によって違うのが家庭料理

 子どものころ、隣のおばあさんが作った卵焼きを食べたことがあり、それがおいしかったんです。うちのおばあさんが作る卵焼きはただただ甘いだけでしたから、驚きました。うちのおばあさんと隣のおばあさんは、同じ料理なのに作り方や材料が少し違う。これは不思議だなって思った記憶があります。単純な卵焼きでも作る人によって違うわけです。

 いまや誰もが知る、カレーやポテトサラダ、グラタン、マーボー豆腐などの定番家庭料理であっても、作る人によって味はそれぞれでいいのです。僕のカレーにはごぼうを入れるし、ポテトサラダにはクリームチーズや青のりを加えます。グラタンには乳製品を使わないこともあるし、マーボー豆腐だってそばつゆの味です。僕の料理は意外なものも使うので「へえー」と思われるかもしれません。ただ、味はそれぞれでいい。ちょっとしたコツは、今までの記事でご紹介してきたとおり、材料を霜降りにしたり、火加減に注意してあげたりなどの、ちょっとしたことなんです。

 今回は連載の最終回。僕がおすすめの定番家庭料理のレシピと最後に、料理への思いをまとめます。

れんこんグラタン

バターやチーズを使わないグラタンです。ホワイトソースの役目をするのはすりおろしたれんこん。れんこんにはでんぷんがあるため、すりおろして火にかけると粘りけが出ます。これを豆乳でのばし、とろみがつくまで木べらで練っていきます。長ねぎのみじん切りと塩を最後に加えて味をととのえることで、風味とうまみが引き出されます。アツアツの焼き立てをどうぞお楽しみください。

材料(2人分)/れんこん…100g、豆乳…150ml、長ねぎ(みじん切り)…1/4本、えび(殻つき)…2尾、ほたて貝柱…2個、玉ねぎ…1/4個、サラダ油…大さじ1、塩…適量、こしょう…少量

◆作り方

1. えび、ほたてを熱湯にくぐらせ霜降りし、水けをきってそれぞれひと口大に切っておく。

2. 玉ねぎを薄く切り、油を入れたフライパンで炒める。しんなりしてきたら塩、こしょうをする。

3. れんこんをすりおろして鍋に入れ、豆乳を加えて火にかける。木べらでかき混ぜながら、とろみがつくまで練っていく。練りあげたら長ねぎ、塩2gを加えて混ぜる。

4. 耐熱容器にえびとほたてを入れ、3をかける。200℃のオーブンで焦げ目がつくくらいまで焼く。

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野崎洋光

料理にはそれぞれ「勘どころ」となるポイントがある。 レシピどおりに作らなくても、その「勘どころ」さえおさえていれば素材がいきておいしくなるし、 失敗もぐっと少なくなる。レシピに縛られないから、料理が自分のものになって自由...もっと読む

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