安っぽい不倫と、道ならぬ恋のちがい

小説家の森美樹さんが自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する日々を綴るこの連載。今回は「不倫」についてのお話です。連日テレビなどで取り上げられる不倫報道。それらを世間がバッシングする理由、そして誰しもが抱く「道ならぬ恋」への憧れについて考えます。

初恋の意味っておかしいよね。

と、私は幼き頃から思っていた。初恋の意味とは「その人にとって最初の恋の意。英語ではFirstLove」だ(Wikipediaより抜粋)。よく「初恋は何歳ですか」だの「どんな関係でしたか」といった質問があるけれど、正直私にはこたえられない。恋をした数だけ初恋があって、関係性も様々だからだ。

2番目とか3番目とかあってたまるか

私にとってはひとつの恋が、すべて初恋である。相手が変われば恋模様も違ってくるのだ。2番目とか3番目などあってたまるか。第一いちいちカウントしている暇もない。あなたは20番目の恋人です! おめでとうございます! などと認定するなんて、現在やかつての恋人にも失礼すぎる。

21番目の恋人はどんな人かな? とかいう発言も、一見余裕な感じでいて、人生の出会いに対して失礼極まりない。私はそんなこと、心の中ですらつぶやけない。次の恋人は……、などと華やかな妄想を繰り広げる前に、今そばにいる恋人を愛せ。ドライフラワーのような派手なだけで乾いた妄想は、己までも枯れさせてしまう。今そばにいる恋人を愛し尽くし、愛し尽くされたら、必ず次の初恋がやってくる。

のっけからあまり行儀良くなく吠えてしまったが、これには理由があるのだ。

世間が相変わらず、不倫を叩いているからである。先日も、某アナウンサーが不倫しただのなんだの報道されていた。同郷のよしみもあってか私はこの某アナウンサーが好きで、出演する番組も欠かさず観ていたのだ。が、不倫(確定ではない)が発覚してから、予期したことが起こってしまった。番組内での謝罪である。

まあ、世間的にはしかたないのかな、と思わなくもないのだが、たとえ不倫の記事が本当だったとしても、別に番組に穴をあけていたわけでもないし、そんなに悪びれなくてもいいのでは、と私は首を傾げた。

どうしてみんな、自分がやりたくてもやれないことを他人がやると、たちまちバッシングするのだろう。

誰しもが「道ならぬ恋」にあこがれている

別に私は「さあ、みなさん、じゃんじゃん不倫しましょう!」と誘導しているのでも、推奨しているわけでもない。ただ、誰しもが不倫(と書くから心象が悪くなるのでやめます)、道ならぬ恋に憧れているのではないか。

たとえばあなた(女性)が井浦新さんや坂口健太郎さんや清原翔さん、もしくはGactさんやROLANDさんに本気で迫られて、「芸能生活を捨ててでも、あなたと一緒になりたい(陳腐ですいません)」などと求婚されたとしたら無下にできますか。比較対象が偏っているのは私の趣味なので気にしないでいただきたい。

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アラフィフ作家の迷走性活

森美樹

小説家の森美樹さんは、取材や趣味の場で、性のプロフェッショナルや性への探究心が強い方からさまざまな話を聞くのだそう。森さん自身も20代の頃から性的な縁に事欠かない人生でした。47歳の今、自分自身の経験を交えながら、性を追及し、迷走する...もっと読む

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コメント

neneko_youtube なんか色々考えてしまった。とても憧れるのだけれど、夢物語で終わって欲しい。現実には起きないで欲しい。 5ヶ月前 replyretweetfavorite

o_yuta 「大人になって、結婚してから、恋をしたことない人はいない。いないだろう。」このフレーズ大好き。 5ヶ月前 replyretweetfavorite

shin_419 #スマートニュース 5ヶ月前 replyretweetfavorite

thinktink_jp "私の印象だが、中高年のほうが恋に執心だ。失われた青春を取り戻したいのか、あるいは人生100年時代に突入したから、現役時代が長..." https://t.co/52EnkfczIu https://t.co/erF76TXDZ2 #drip_app 5ヶ月前 replyretweetfavorite