酒とバイキング【スズキナオ】

バイキング。あるいはビュッフェ。ようするに食べ放題。「~放題」ってちょっと魅力的な響きですよね。今回はスズキナオさんによるそんなバイキングとお酒の関係について。
なんだか気ぜわしい僕たちの毎日には、楽しくて、ちょっとホッとできる「お酒」が必要だ! 本連載はそんなお酒をこよなく愛するあまり、「酒の穴」というユニットを結成してしまったパリッコさんとスズキナオさんが、酒にまつわるアレコレをゆるーく、ぬるーく書いていくリレーエッセイです。過去の連載へはこちらから。

野獣になれる場所

「バイキングなんて行ったって結局大して食べられないよね」、「限界まで食べて最後は苦しくなったりして得なのか損なのかわからない」と、そんなクールで大人じみたセリフを人前で私は吐く。

実際、私は食には卑しいが、そんなに量が食べられる方ではないのでバイキングに行っても決して100%満喫できるわけではないのだ。だが、たまに、年に1回か2回ぐらい「今日バイキング行くっていうのも、ありだな」とふと思うことがあり、それで行ってみるとすごく興奮する。

いつもの食事代よりだいぶ高額な入場料を払ってバイキング会場に入り、席に案内されたら、一回座るけど一瞬で立ち上がる。寿司、天ぷら、ローストビーフから本格麻婆豆腐に酢豚からカレー、パスタ、そば、うどん、唐揚げ、ポテト、ケーキにアイスにわらびもちなど、もうめちゃくちゃに全部ある。トレイを持って縦横無尽にその中を動き回り、見知らぬ人とぶつからぬよう注意を払い合いながら、だが、時にスピーディーに、欲しいものを確実に手に入れる。その場にいる全員がいつもよりもちょっと野獣じみた自分になれる状況。むき出しの食欲!

ちなみに今私が思い浮かべているのは「ランチビュッフェ」、「ディナービュッフェ」みたいなものだけど、旅館やホテルの朝食が割とよくバイキング形式になっていたりする。さっきまで寝てたくせにいきなり野獣の勢い。温泉たまご2個食っちまおうかな、ぐらいの。あれはあれで楽しい。

バイキング3原則!

自分なりにバイキング経験を少しずつ積み上げて、それでわかってきたのが「とにかく焦るな」ということだ。制限時間が60分とか90分とか設けられていても、大抵それまでにすっかり満腹になっている。まだ食べたいのに終了時間が来てしまったということがあるだろうか、私は無い。いつも30分ぐらいでもう限界だ。

焦るな、そして、「まず全体を見渡せ」。食事を済ませて店を出る時に「えっ!もう一つ和食エリアあったの?」と気がついた経験が何度かある。同席者に「ビーフシチュー美味しかったね」とか言われて「何それ!そんなのあった!?」と思った時にはすでに胃に何も入らない状態ということもある。どちらもクラッとくるほど悔しい。まず、何も取らずに全体を見てまわり、「あれとあれは絶対に食べよう。余力があったらあれも」と目星をつけておくべきだろう。

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スズキナオ /パリッコ

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