LIFE SHIFT リカレント編#11】ライフ・シフトを妨げる3大リスクへの対処法

親の介護や子どもの教育、自身の健康。人生100年時代にはリスクが付きもの。対処法を知り、今から備えるべきだ。

親の介護や子どもの教育、自身の健康。人生100年時代にはリスクが付きもの。対処法を知り、今から備えるべきだ。

【介護離職】まずは仕事と介護の両立を考える

 高齢化が進む日本で深刻な社会問題となっている介護。近親者の介護により就業困難となった介護離職者は、年間約10万人いる。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査(2013年)によれば、40~50代の就労者(男性正社員)で、介護の必要な親がいる割合は28・9%。その約半分の14・4%が、実際に親の介護を担っている。25年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、要介護者の全体数は今後さらに増えるとみられる。一方、企業に相談することなく介護離職をした人は9割近くに及ぶ。「会社に迷惑をかけたくない」と、1人で抱え込んでしまうケースだ。

 介護しながら働ける職場へ転職しようにも、なかなか難しいのが現実だ。明治安田生活福祉研究所と公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団の共同調査によると、介護転職で正社員として就職できたケースはおよそ3人に1人。年収は男性の場合、平均で約4割減少する。高齢でキャリアにブランクができると、そもそも再就職が困難なケースも多い。

 介護離職の問題に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の矢島洋子氏は、「介護離職は精神的・肉体的・経済的負担が大きすぎる。介護と仕事の両立は無理というイメージが日本では強いが、親の介護に直面したとき、まずは継続就業ができないか考えるべき」と強調する。

 幸い日本には世界でも最先端の介護保険制度がある。見守りや身体介護などの対応を介護サービス事業者にできるだけ任せれば、「日々の対応が必要な介護内容は限られる」(矢島氏)。17年1月には育児・介護休業法が改正・施行され、93日間の介護休業の分割取得(最大3度)や介護休暇の半日単位での取得、短時間勤務など、両立支援の制度が拡充された。

 社員の介護離職を避けたいと考える企業も増えている。まずは勤め先の企業に、「月1回ケアマネジャーと打ち合わせをする時間を取れないか」「週4日勤務ができないか」など、働き方の相談をしてみるのが重要だ。

 「親の介護に備えて、今からできることもある」と、グラース社労士事務所代表の新田香織氏は話す。地元自治体の地域包括支援センターに出向き、地域の介護サービスを知ることや、いざというときに備え、保険証のありかや生命保険の加入状況、預入銀行名を把握すること、自社の就業規則を読むことなどだ。

 「親が元気なうちに、一緒に介護施設の見学や体験入居をしてみるのもいい」(新田氏)という。普段は話題にしづらいおカネのことや、将来介護が必要になった場合のことについても親と話せるだろう。

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