負の感情を、思いっきり吐き出させてあげてください
敏感な子たちの場合、突然の喪失など深い悲しみを味わうと、自分のせいだと思い込んだり、こうしておけばよかったと悔やんだりして、長く後を引いてしまうことがあります。 たとえば、身近な人の死に遭遇した、飼っていたペットが死んでしまった、あるいは幼稚 園や学校でいじめに遭ったというケースでもあります。
普通の子はそのときに感情を出すので、何日かでケロッとしますが、敏感な子はそのと きに固まってしまい感情を出さないので、神経が一回ショック反応(固まる)を示し、そ れが解けないまま激しく落ち込んで、引きずってしまうのです。
こういうときは、落ち込んで自分を責めている子どもに、指示や命令や禁止(ダメ出 し)や説教をするなど、ナイーブな心を刺すようなことを言うのはやめましょう。大人に ははかり知れない子どもの心に同調して、「そうか、そうなんだ」「そう思うんだ」とまずは心を100パーセント受け止めてあげると、固まった心がほどけて中にある怒り、悲しみ、後悔の気持ちが出やすくなります。まずは、安心と安全感の確保が大切です。
怖いことやショックなことに遭ったときに、人が取る対応はそうたくさんありません。 戦うか、逃げるか、すくんで凍りつくか、場合によっては作り笑いもするかもしれません。 いじめに遭ったとき、「なんだよ」と抵抗して戦えるようなら大丈夫です。泣いて逃げ出 せる子も、トラウマになりません。しかし、何の反応もできずフリーズしてしまう子や笑 ってごまかす子は、トラウマになりやすいのです。
ナイーブで過敏に反応する子でこういう相談を受けた場合、私は「ショックが癒えて、 気持ちが落ち着くまで待ちましょう、無理して学校に行かせようとしなくてもいいです よ」と言います。これは「心が弱い」と非難するような問題ではないのです。
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