「挫折を経験した人」の長所
結論を先に言ってしまうと、挫折を経験している人は、それだからこそ、いいものを得られているのです。
挫折した人は、最初は「自分が回復したい」とか「ここから逃げたい」というだけの気持ちで私のところへやってきます。
それが私とかかわることで、だんだん変化してきます。私がその人たちに何かを与えているわけではありません。私が話すのは、「私はいっぱい挫折を経験して、死にたいと思ったこともあって、今でもこういうことが不得意で、こんな小さな人間です」ということ、「私はこう思う」という自分の考え、それと「私はこうやって乗り越えたけど、あなたはどう?」ということだけです。
クライアントさんは、そういうやり取りの中で、だんだん自分マニュアルを作っていきます。「自分の場合、こういうときはこう感じる」とか、「こういうことをするといい感じになる」とか、情報がたくさんたまっていくわけです。
そうしているうちに、今度は「乗り越えた体験を誰に、何のために使うか」といったことを考えていくようになります。
だから結局は、私のところに来た人はみんな、助ける側になっていきます。
挫折を経験しているからこそわかる痛みや、お金を出しても買えないような体験。そこに新たに自分の使命や、生きている意味、生かされている意味みたいなものに、みなさん気づいていくのです。
だからこそ、彼らの活動にかける思いやエネルギーはとても強いのです。
あなたもまだこれから挫折を経験するかもしれないし、つらい思いも失敗もするかもしれませんが、それが全部プラスに変わるとしたら、こんなラッキーなことはないですよね。自分次第でプラスに変わって、それを仕事にできたり、誰かのためになることができるのですから。