「人に甘えられない人」の長所
甘えられない人は、オーバーワークになりがちです。人に甘えてもいい場面で甘えられなかったり、人に甘えられる一方になったりして、疲れて生きづらさを感じたりします。
甘えられないということは人に負担を強いないということなので、本来、自立しているのです。
しっかりした考えがあり、問題が起きても安易に人を頼らず、自力で解決しようとする。そんなふうに自立していて、リーダーシップのある人がほとんどでしょう。
逆に甘える人というのは、「あれやって、これやって」と言える人です。一番いいのはTPOに合わせて甘えられる人でしょう。
ただ、それには訓練が必要になります。
私も甘えられない人間ですが、先日、珍しく人に甘えることができました。
どんな話かというと、先日、相談にみえた男性のクライアントさんとお話をして、苦手なお金(相談料)の話もちゃんとできて、そこはうまくいったわけです。
ただ、そのとき喫茶店でお話をしていて、お茶代が合算で計算されていたので私がまとめてお支払いしたら、クライアントさんはモジモジして困ったようすでした。
そこで、たまたまお店の人にすすめられた生チョコが500円ぐらいで、ちょうど私が多く払った金額と同じくらいだったので、「じゃあ、これ買ってください」と言って買ってもらい、そのチョコを家に持ち帰りました。
これは、私の中ではすごい成長でした。私はずっと人に何かをねだるとか、「お金をください」とか言えないで生きてきたのです。だからうれしくて、「すごい、私。買ってって言えた」と、自分をほめたい気持ちになりました。
ところが、娘の反応は意外なものでした。
「お母さん、わかってる? 知らないおじさんからチョコレートをもらって、お父さんどんな気持ちがすると思う?」と、冷ややかに言われてしまったのです。正直なところ、いまだに何がいけなかったのかわからないのですが。
話は戻りますが、甘えられない人は、人に負担をかけないように気をつけているというだけで十分立派だと思います。
でも、たまには甘えてもいいのです。ふだん甘えないあなたがちょっと人に頼みごとをしたとしても、ずうずうしいと思われたりしません。
私も、仕事関係の人に「それを言ってもらえてよかった」「もっと頼ってね」と言われて、ほっとしたことがあります。
ときには思いきって甘えてみて、それがかえって相手に喜ばれることもあるのだということを、少しずつ覚えていくといいですね。
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