あえものに重要なのは「味の道」

あえものやおひたし、とても簡単でシンプルな料理ですが、だからこそおいしくするための勘どころが必要です。あえものに重要なのは「味の道」。素材とあえごろもをつなぐ「道」を作ることで調和のとれた味に仕上がります。いつもの通り、素材のおいしさを最大限に味わえるレシピです。ぜひ参考にしてみください。5月16日発売『おいしいごはんの勘どころ』(学研プラス)より特別連載。

「味の道」を作り、野菜のおいしさを引きだす

 今回は、これからの季節にもぴったりな、おひたしやあえものについてご紹介します。「おひたし」というくらいですから、浸した汁でゆで野菜を食べるのが理想ですね。でも、ゆでたてのほうれん草におかかをかけ、しょうゆをたらりとかけて食べてもいいと思うんです。あの甘さの中に、しょうゆの塩けとおかかの風味。「ぜったいおいしいから」と僕は人におすすめしています。「料理人がそんな食べ方をするんですか」と驚く人もいますが、おかかはだしをとる素で、味の要素は同じ。

 で、だしに浸すから、おひたしと呼ばれるわけですが、いつも僕がいいますけど、料理はこうじゃなきゃいけないという決まりはありません。料理屋ではだし汁に浸してお出ししますけど、まねをする必要はないです。レシピには、そうする理由が必ずあって、その理由に応じて、今度は自分なりにどうおいしく食べていくかと考えることが大事なんだと思っています。参考程度くらいで、その通りに作らなくてもいいんです。

 では、あえものにする場合のコツをお話ししましょう。ごまあえ、白あえなどがありますが、あえごろもと合わせる前に、しょうゆで下味をつけることで味わいが違ってきます。加えるしょうゆは、ほんの少しずつ、入れすぎてしまうと修正がききませんから。

 そしてあえごろもであえる場合は、下味がついた素材を一度ぎゅっと絞ってからあえましょう。水っぽいと料理はまずく感じます。この下味がついていることで、味の道ができ、あえものにしたとき味がのります。化粧するとき、肌に直接ファンデーションをつけないでしょ。下地を塗り、その上にファンデーションをつける、これと同じことです。

 あえるを漢字で書くと「和える」。つまり味の調和、バランスがとれていることが大事なんです。では、おひたし、あえものを作るときの勘どころを紹介しましょう。

下ごしらえ

□グリルで焼く

水分の多い白菜などは、水分が抜けることで精度が上がり、甘みが強くなります。みずみずしさとは異なる別のおいしさが味わえます。

ゆでる

□しっかり水けを絞る

素材から水がでないよう、しっかり手で絞ることがおいしさにつながります。なすの水けをきるときは巻きすを使って重石をのせ、水分を抜きます。

あえる

□しょうゆで味の道をつくる

あえる前にしょうゆで味の道を作ることで、しっかり味がのります。なお下味をつけるときは、箸より手で軽くもんで混ぜたほうが味のなじみがよいです。

では、具体的にレシピでみてみましょう。

ほうれん草のごまあえ

ほうれん草はゆでたてが一番おいしいですが、そのゆで方がおいしさのカギを握ります。たっぷりの熱湯でまずかたい根元を、次に茎と葉を、この二段階でゆでていきます。茎のシャキシャキとした歯ごたえを残すようにゆでたら、冷水に取ってアク抜きしましょう。しょうゆで下味をつけるので、塩は加えずにゆでます。ごまはあえる直前にごまを炒り、すり鉢であたったほうが香りが立っておいしくなります。時間がないときは、ねりごまを使ってもいいですし、ピーナッツ、くるみ、アーモンドであえてもおいしいですよ。

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88yearsold 誤字脱字が複数あるんだけど、本人はもとより編集の人が確認してないのかしら…?と思って内容が頭に入ってこないので誤字脱字は気をつけてほしい派。 約1ヶ月前 replyretweetfavorite