わかる日本書紀① 神々と英雄の時代

命を懸けた選択。揺れる心は兄か夫、どちらを選ぶか【第十一代②】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した『わかる日本書紀① 神々と英雄の時代』から、日本の正史を学ぶ連載。

サホビコの叛乱とサホビメの苦悩

皇后・サホビメの同母の兄・サホビコ(狭穂彦王)は謀反を起こして国家を転覆しようと企てていました。
四年九月二十三日、サホビコは、皇后が家でくつろいでいるときをうかがってこう尋ねました。
「お前は兄と夫とどちらが愛(いと)しいか」
皇后は兄の言っている意味がよくわからず気軽に、
「それはお兄様の方が愛しいです」
と答えました。するとサホビコは皇后にこんなことを言いました。
「そもそも美人か否かで人に仕えれば、容色が衰えると寵愛を失ってしまうのだ。今、天下に美人は多く、それぞれ競い合って寵愛を得ようとしている。どうして永遠に自分の容色を頼りにできよう。
そこでだ。実は、私は皇位に即(つ)きたいと思うのだ。お前と一緒に天下に君臨し、枕を高くして永く百年の時を過ごすのも素晴らしいことではないか。どうか私の為に天皇を殺してくれ」
サホビコは懐剣(ふところがたな)を取って皇后に授け、
「この懐剣を衣の中にしのばせて、天皇が寝ているときに素早く首を刺して殺すのだ」
と言いました。

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マンガ遊訳 日本を読もう わかる日本書紀1 神々と英雄の時代

村上 ナッツ,村田 右富実,つだ ゆみ
西日本出版社
2018-12-18

この連載について

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わかる日本書紀① 神々と英雄の時代

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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コメント

osampo_koubou この漫画は絵はざっくりだけど日本書紀がわかりやすくなるなあ。と感心した。脚色が無いところが逆にいい。「 5ヶ月前 replyretweetfavorite

oukakreuz 佐保彦の乱だ!!氷室冴子先生の「銀の海 金の大地」もこの結末まで読みたかった…泣 5ヶ月前 replyretweetfavorite