メールも電話も固めて対応する
「あー、いちいち段取りを考えるのがめんどうくさい。思いつくままにやろう」と仕事を始めたら、効率は間違いなく下がります。
その典型的な例としては、書類をコピーして、少し他の作業をしていたらまたコピーする必要が出てきたので、また別の書類をコピーしにいって。と思ったら、「あれもコピーしておけばよかった」と、コピーをし忘れていたまた別の書類を思い出して……、と、バタバタ落ち着きがなく、無駄な動きが多い状態です。1日の流れを読んで段取りを考えていたら、コピーはまとめてすれば効率的だということがわかりますよね。
なぜそうなってしまうのかと言うと、やるべきことを頭の中にためてしまうからです。「忘れないうちにやっとかなきゃ」と、思いついたことに振り回されてしまっている状態です。だから、頭の中は空っぽにすることが重要なんですね。
居酒屋などでキッチン内の動きを見ていたらわかりますが、ある程度同じ料理の注文が入った時点で同時に取りかかれば効率良くさばくことができますが、注文が入るたびに、何も考えずに順番にこなしていたら、とても効率が悪いものです。
段取りを考えるときには、まとめてできるものはないかということを常に考えておきましょう。
これはコミュニケーションにおいても同じことが言えると思います。今は電話やメールだけでなく、SNSなどでメッセージやチャットを使って仕事のやり取りをすることが増えています。いつでも簡単に連絡が取れることは確かにメリットだとは思いますが、それに振り回されてしまっている人が少なくないことも事実です。
「あの書類を作ろうと思っていたのに、作れずに終わってしまった」
と、ランダムに入ってくる連絡への対応によって、せっかく立てた段取りや計画が狂ってしまったという経験をしたことがある人もいるでしょう。
ずっとメーラーやチャットなどを開いたままにしていると、当然ながら新しいメールやメッセージが来ていないかを細かくチェックすることになりますし、新着のメッセージがあったらどうしても気になってしまいます。せっかく他のタスクに集中していたのに、それによって集中が途切れてしまったら、効率は下がってしまいます。一度集中力が切れたら、同じくらいのレベルの集中力を取り戻すには15-20分必要だと言われていますから、もったいないですね。
私はタスクに集中する時間は、メーラーは閉じて、よほどのことが予想されるとき以外はスマホも着信音やバイブ音がならないように設定しています。電話に着信があったら、あとでまとめて折り返しの電話をします。電話が鳴ったからといって、すぐに出ないといけない理由もありません。そうすると、電話で伝えたかった内容をメールで送ってきてくれる人もいます。
ですから、やたらと電話をするクセがある人も注意が必要です。電話をしてはいけないのではなくて、相手の仕事の邪魔になっているかもしれないということを認識しておく必要があります。
電話をするならば、質問することを整理してからにする。電話を切ったあとに「あぁ、あれも聞かなきゃいけなかったのに」となって、またすぐに電話をかけたりしていては、いかに段取りが悪いかということを露呈してしまいます。スマホは私たちにとってはツールであるはずなのに、あまりにも多くの人がスマホに支配されているように見えます。
段取りをすることとは、状況に振り回されることではなくて、あらゆる状況において自分が主導権を握りながら着実に足を前に進めていくことなのではないでしょうか。そのためには、「今じゃなきゃ本当にいけないのか」、「あとでまとめてできないか」ということを考えればいいのです。