【登場人物】
清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業
森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員
ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員
清田 桃山商事の恋バナ連載、今回も「出版記念特別編」をお送りします!
森田 本連載をベースにした新刊『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(略して『モテすべ』)が、6月9日に出版されることになりまして、その中に出てくるキラー・ワードやエピソードをハイライト的に紹介していきます。
ワッコ と言いつつ前回は、本に出てきた話からかなり脱線していきましたよね。
森田 同じエピソードでも、繰り返し話す中で新しい発見があったり、別のエピソードに思わぬ形でつながったりするところが恋バナの面白いところかなと。
【射精したら2秒でコンビニ】
清田 じゃあまずは〝射精したら2秒でコンビニ”というエピソードから。
ワッコ これはわたしが初めてセックスした相手との話でして……その男性は、恋人と同棲している家にわたしを呼び出してセックスしてたんですね。
森田 大胆な行動だよな~。
ワッコ 恋人の女性は看護師で、夜勤があったんです。そういう日にわたしは呼び出されるんですけど、セックスした後のゴミが残ってたらまずいじゃないですか。なのでその人は、射精したら2秒後にはティッシュとコンドームを小さいビニール袋に入れて、家の隣にあるファミマに捨てに行ってました。それが〝射精したら2秒でコンビニ”です。
清田 「玄関開けたら2分でご飯」みたいで語呂はいいけど(古いCMですが)、それがワッコのはじめての相手だったんだよね? 自分で呼び出しといて、相手の前でソッコー痕跡を消すって、結構ヤバめな人だよね……。
ワッコ 光の速さでしたね。あと、空気中に残る匂いとかもあるじゃないですか。それすらも許さない!という感じで、ファブリーズをCMみたいにシュッシュしてましたね。
森田 外道みがハンパない。やるにしても、ワッコが帰ってからコソコソやれよって話だよね。
ワッコ ほんとですよ! そのように、わたしのかなり終わってる初体験エピソードもこの本には入ってます。
清田 それにしても、「セックスはしたいけどコミュニケーションは取りたくない男」の話って恋愛相談の現場でもめちゃめちゃよく聞くけど、女の人たちはみんな意味不明ってなってるよね。
ワッコ そうなんですよね。 本の中でも言ったんですけど、射精だけならTENGAでじゅうぶんじゃないですか。そっちのが本人もラクだと思うのに、なんでわざわざ生身の人間を道具扱いするんですかね?
森田 射精する瞬間の気持ちよさに生理的な差はないわけだからね。そういう男がセックスに求めている「コミュニケーションと射精欲求以外のもの」って、確かになんなんだろう。支配欲、寂しさの解消、承認欲求、マザコン……色々考えられそうだけど、おそらくそういう暗くて幼い欲求が彼らの中で性欲に置き換えられているんだろうなとは思う。
ワッコ この本には、わたしの元ルームメイトでセックスが大好きな〝アバちゃん〞という女性の話が何度か登場しますが、彼女はセフレと仲良しなんですよ。彼女みたいにセックスも人も好きというのなら理解できるんですけど。
森田 セックスは好きだけど人は嫌いっていうのは、よく考えると相当ワケがわからないよね。
清田 この話は、改めて語り直したいところだよね。
【可能性濡れ】
清田 次は「自分史上最高のエロ」という章の中で出てきた〝可能性濡れ”というパワーワードです。ワッコ史上最高にエロかったエピソードの話だったね。
ワッコ ある飲み会で知り合った男性が、偶然わたしとはす向かいのマンションに住んでいたんです。それで話が盛り上がり一緒にタクシーで帰って、お互い家に着いたら自分の部屋から見える相手の部屋の写真をLINEで送り合いました。「めっちゃ見える!!」みたいな。
清田 鬼盛り上がるじゃん。
ワッコ 国民のみなさま、これはエロくないですか?
森田 エロいよ!
ワッコ そのやりとりの最中に「今後なんかあんじゃね?」という可能性を感じて、めっちゃエロい気分になったんです。だから〝可能性濡れ”です。
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