ここ数年、大きく消費を伸ばしている鶏胸肉。その背景にはサラダチキン(蒸した鶏むね肉を真空パックにした商品)の躍進があります。最近ではブームも落ち着いて、食卓に定着した感もあります。
サラダチキンの前にちょっとしたブームになった料理がこの『鶏はむ』です。元々は2001年にインターネット掲示板の「2ちゃんねる」に書き込まれたレシピで、ネット発祥という歴史も面白いですが、鶏胸肉を塩漬し、低温で加熱する作り方はサラダチキンとまったく同じ。ネットには様々なレシピが溢れていますが、今回は基本となるようなシンプルな作り方をご紹介します。学ぶべきは塩漬によるタンパク質の性質の変化と、加熱温度によるタンパク質の凝固の違いです。
鶏はむ(鶏ハム)
鶏胸肉…1枚(300g相当)
塩…小さじ1(6g 肉の重量の2%)
上白糖…小さじ1(3g 肉の重量の1%)
作り方
1.鶏胸肉は皮がついていたら剥ぎ、厚い部分の中心に切り込みを入れ、そこから左右に切り開いて、厚みを均一にする。(観音開きという切り方です。剥いだ皮は塩を振って焼くとおいしいです)
中心に切り込みを入れます。下まで切らないように注意。
そこから左に包丁を寝かせるようにして切り開きます。
鶏肉をひっくり返して、同じように包丁を寝かせて今度は右側を切り開いていきます。鶏胸肉が一枚に広がりました。観音開きはなにかを巻き込むときにつかう切り方です。
2.1の鶏胸肉に砂糖と塩を混ぜたものをまんべんなく振り、冷蔵庫で1時間以上(上限は24時間〜48時間までが目安)置く。(Tips 1 塩漬の原理)
鶏肉から水気が出て、身が締まったこんな状態になればOK。
3.鶏肉から出てきた水気を拭き取り、ラップで円筒形に整形し、両端を縛る。
鶏胸肉の下を持ち上げて巻き込んで、円筒形状に整形します。
ラップの両端をキャンディのように縛るときつく巻けます。しっかりと巻くと出来上がりがハムのように丸くなります。
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4.厚手の鍋にたっぷりの湯(80℃〜85℃)を準備し、鶏肉を沈め、蓋をして1時間放置する。(Tips 2 やや低温で加熱する)