6月7日
授業参観日。
かずふみは、保育士の先生から名前を呼ばれても、朝の歌も、全部顔伏せて眠いふり。
園庭でも、ひとり輪から外れて小石拾い。
トゥー・シャイ・シャイ・ボーイ!
以上のことを病院のベッドのふさに報告する。きょうは子宮内容除去術、流産の手術。
ふさ「でもね、ふさとたけちゃんの子どもだから仕方ないと思うよ。色々」
俺「だな」
ふさ「ふさも輪の中に入れない子どもだった。記憶もちゃんとある。
幼稚園から小学校前半までは、〝なんで輪の中に入れないんだろう。ヤバい……〟って思ってた。
俺「同じだ」
ふさ「勉強と運動はできた」
俺「同じじゃない」
遺伝子検査について話す。
トリソミー(よくある流産)、転座(レアケース。母体の遺伝子検査必要になるかも)。
それ以外の理由なら『不育症』→今後の妊娠で対処が必要。
しかし、トリソミーは高齢になるほど確率が上がる。
ダウン症は20代の妊娠なら16000分の1だが、40代の妊娠だと100分の1になるとのこと。
検査費用は15万円ぐらいらしい。
ふさ「あとで調べようとしても分からないからやろうかな。トリソミーは偶然起こるバグみたいなもんだけど、それならそれで安心するかな」
手術は約10分。 13時に始まり、14時には起きて戻ってきた。 ふさは泣いていた。
「また俺たちの子を作ろうな」と慰めた。
6月8日
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