どんな短所も、裏を返せば長所になる

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか? 人間関係、勉強、家族、容姿…ストレス社会で生き延びる技術を紹介します。『10代のための疲れた心がラクになる本』をcakesで特別連載!(毎週火曜・金曜更新)

どんな短所も、裏を返せば長所

 悲観脳の働きが強すぎる人は、自分のいいところを挙げられません。
 これも、さかさまを考えればいいのです。
 短所ばっかり……と思っていても、短所は裏を返せば長所。ひっくり返してみれば、いいところでもあるのです。
 いくつか例を挙げてみましょう。
「なかなか決断できない、優柔不断」なのは、「慎重で思慮深い」ということ。
「暗い」のは「落ちつきがある」ということ。
「のめり込むと周りが見えなくなる」のは「集中力がある」ということ。
「飽きっぽい、長続きしない」のは「切り替えが速い」ということ。
「がんこ」は「信念がある」ということ。
「せっかち」は「瞬発力、行動力がある」ということ。
「いいかげん」は「おおらか」ということ。

 まだまだいくらでも言えます。
 つねに「逆はどうだ?」「裏返すとどういうことか?」と考えてみる習慣をつけることです。
 言葉が豊かになると、視野が広がり、考え方も自由になります。

ほめポイントを見つける

 苦手だとか、嫌いだとか、マイナスの印象をもっていることに対しては、ついよくないところばかり見てしまいがちです。
 でも、そのなかにも、いいところ、ほめポイントが何かあるのではないか。こういう視点をもってみましょう。
 ピーマンが苦手で食べられなかったら、あえてピーマンのいいところを挙げてみる。「ビタミンたっぷり」とか「栄養価が高い」とか「緑がきれい」とか。あの苦味が嫌いだとしても、「健康に効果的な苦味がある」と言えますからね。
 数学が嫌いだとしたら、数学ができるといいことを書き出してみる。「計算に強い」でも、「頭がよさそうに見える」でも、「理系に進める」でも、なんでもいいですよ。とにかく挙げてみる。
 自分が嫌いなものにも、必ずいいところはある。評価すべきところがあるわけです。嫌い、苦手と、イヤなところばかりを意識するのではなく、それのいいところに目を向ける。自分の感情と切り離すのです。
「それはそれ、これはこれ」という視点。
 こうすることで、悪いところばかり見てしまうクセが修正されていきます。

 究極は、嫌いな人のほめポイントを見つけだすことですね。
 嫌いという感情はとりあえず措いておいて、その人のいい点、すごい点を挙げてみる。いつもいばっている怖い部活の先輩も、何かがすごくうまいとか、ありますよね。
 ピーマンにしても、数学にしても、嫌いな人にしても、いいところがちゃんとある。それに気づけて自分で言葉にできる、ということが大切なのです。
 相手のほめポイントに目を向けられると、歩み寄りの一歩です。“同意・感謝の術”のときに、そのほめポイントを伝えてみるのです。
「先輩のあの技術、すごいですね」と。
 相手との関係が改善する可能性がいっそう高くなります。

<次回は6月14日(金)更新予定>

10代、そして大人の方へ。ストレス社会で生き延びる技術を精神科医が紹介。

この連載について

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10代のための疲れた心がラクになる本

長沼 睦雄

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか?人間関係、勉強、家族、容姿...ストレス社会で生き...もっと読む

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