沢松奈生子のワイドショーでの反射神経

今回取り上げるのは、元テニスプレイヤーの沢松奈生子。最近では、ワイドショーのコメンテーターなどで活躍している彼女について、武田砂鉄さんが考察します。。

明日どうなるかわからないのに

朝も昼もワイドショーを見続けている人間からすると、並んでいるコメンテーターの皆さんに向けて、「そもそも、伝える感情を一つに決め込まなければいけない、って大変じゃございませんか」と毎日のように思う。このニュースが明日どうなるか、明後日どうなるか、1週間後どうなるかわからないのに、今その瞬間に、できるだけ感情的に意見を表明しなければいけない。日常生活でも、「アイツが悪い!」と聞かされたので、「いや、アイツってホントそういうところあるよね! 自分もマジでそう思ってた!」と賛同した数日後に、「実はアイツが悪いんじゃなかった……」と発覚、アイツを悪く言った事実だけが残ってしまうなんて展開になることがある。

ワイドショーに出たくない

時たま、「ワイドショーに出てください」との依頼を受けても出ようと思わないのは、こうして「テレビの中のわだかまり」なんて銘打って文章を書いている人間が、「わだかまり」の主たる発生源であるワイドショーに出ることによって、「あっちの事情」を理解してしまうから。自由に物が言えなくなるからというより、「あっちの事情」を知ったら、あっちはあっちなりにおそらくそれなりに正しいはずだから、出たくないのである。毎日のように「その場しのぎのコメントを言いやがって!」とワイドショーに出てくる誰かに対して思っているが、おそらく「その場をしのぐ」仕事なのだろうし、毎日のように「結局、司会者がまとめるんだよな。そのための餌撒きコメントでしかないじゃんか!」と思っているのは、おそらく「結局、司会者がまとめる」という前提を理解した上での仕事なのだろう。

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往復書簡 無目的な思索の応答

又吉直樹,武田砂鉄
朝日出版社
2019-03-20

この連載について

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ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜

武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

KevinMac14YHM 正しい分析。 6ヶ月前 replyretweetfavorite

gumminoki "「いつやるの? 今じゃない!」" いいね! 6ヶ月前 replyretweetfavorite