株より遊びに
投資しろ
金を使えと言うと、一定数がお約束のように「株に使う」という発想をする。まるでわかっていない。
そもそもそれが、お金を使っていることにすらなっていない、ということが、なぜわからないのだろう。
仮に何か大きな目的があって、そのために投資をするのだという人がいたとしても、そんなことをするくらいなら別の、何か熱狂できる目の前のことにお金を使えと言いたい。株なんてギャンブルにすぎない。
しばしば経済系のインタビューで、中国バブルはいつまで続くのでしょう? と聞かれる。世界の経済の中心として、さらに発展していく見方と、人口バブルがはじけて近く崩壊するという説と、両方がこの数年ほど、ぶつかり合っている状態だ。
結論は、よくわからない。
市場経済の一員である以上、成長しかしない国や企業は、存在しない。
どんなプレイヤーだって、成長するときもあれば衰退するときもある。史上最強の経済大国と思われる中国でさえ、この法則の例外ではない。
個人投資家の株取引も、まったく同じだ。
特定の銘柄が、いつまで儲かり、どのタイミングで、どれだけ資金を投じればベストか、読みきることはできない。ある程度の経験則や証券取引の知識をもっていれば、予測らしき手はうてるけれど、ただの予測だ。
確実に、永続的に、堅調に儲かる株なんて存在しない。
上場株も為替も不動産も、つまるところギャンブルだ。
経済誌や株取引をテーマにした本や、ネットの情報商材などで「こうすれば株は儲かる!」などと語られているけれど、信じてはいけない。絶対的なセオリーや明確な解法があると思ってしまうと、間違いなく足をすくわれる。
手軽に得られるような株取引のテクニックは、ギャンブルをほんの少しだけプレイしやすくする手助けに過ぎず、素人が手を出すと痛い目にあうだろう。
僕は、お金を増やすことを目的とした株取引をしない。信頼できる筋から「必ず上がります」という情報をもらっても、手を出さない。今後も株は、やらないだろう。
理由は簡単だ。僕は、わかっていることしかやりたくないし、そもそもお金を増やすことではなく、人生を楽しみ尽くすことが目的なのだ。
ホリエモンが手がけているIT事業こそ、先行き不透明な、わからないことだらけじゃないかと、つっこんでくる人もいるだろう。けれど上場株の相場よりは全然、不確定要素が少ない。プログラムは正しく設計すれば、想定どおりにアウトプットができる。上場市場の意向に左右されないITのベンチャービジネスは、顧客のニーズさえ満たせば確実に成長するのだ。
自分の意志と、裏づけのあるデータをもって臨めば「わかっている」結果が、得られる。僕は遊びのギャンブルは肯定派だけど、のるかそるか運任せのギャンブルは好きではない。
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