連れ込むのは
高級ホテルにしろ
僕は高校時代に一度も、彼女ができなかった。
18歳まで、もちろん童貞だった。
東大に合格したら、可愛い女の子と恋愛する! という目標があった。
東大に受かり、さあ恋愛するぞ、と意気ごんだが……問題が発覚した。
女子と、まったく会話できなかったのだ。
中学、高校と僕は男子校に通っていた。男子ばかりの環境にいたせいで、自然な女子との接し方を、忘れてしまっていたのだ。
いまでいう、非モテ男子のど真ん中。というか、そもそも会話していないのだから、モテる以前の話だろう。
大学内で、たまに女子から話しかけられても「田舎者と馬鹿にされたらどうしよう」とか「気持ち悪いと思われたら嫌だ」という恐怖に、身が固まった。
教室で女子生徒のそばにいても、僕はそわそわと挙動不審。かなりキモいヤツだった。
可愛い彼女との大学生活なんて……はるか遠い夢だった。
念願の東大生になれたけど、男子としてのモテ能力の低さを、ストレートに突きつけられた。当時の情けない気持ちは、いまでも覚えている。
ほどなく塾講師のアルバイトで、可愛い女子高生の彼女ができた。以降は、すんなり女子と話せるようになって、多くの恋愛を経験してきた。
大人のいまならわかる。18歳の僕は、自信がなかっただけではなく、「女子に冷たくされて傷つく」自分を、守りたかったのだ。 「男子校で勉強漬けだったから仕方ない」「その気になったらいつでも彼女ぐらいできる!」という言い訳のようなプライドを、心の底で捨てられていなかった。
そんなプライドは、なくしてしまった方が断然、モテる。
口説きたいときに堂々と口説く。それ以外に、恋愛の成功法はないのだ。
40代の半ばを過ぎたいまも、僕は恋愛を続けている。
僕より若くてイケメンはいくらでもいるし、財力や社会的地位の高いモテおじさんも、たくさんいるのだ。だから、女の子にはいつも正面からアタックする。
見事なぐらいの玉砕もある。だが、挫けたりしない。
好きになった女の子に、好きだ!と伝えるのに、腰が引けてどうするのか?
断られる不安や、恥ずかしさは、とっくに捨ててしまった。
僕は女の子に対して、口説けそうとか無理っぽいとか、タイプを見て接近しない。好きだったら口説くし、好きじゃなかったら口説かない。ごくシンプルだ。
経験を積もうとも、告白には多少の勇気はいる。
だが「これは自分の世界なんだ。俺の思い通りになるに決まってる!」そう強く思いこんで、ストレートにぶつかり、何とか口説き落とすのだ。
思いこみは実現化すると信じる。強いハートが大事だ。
力技ではダメだ。女の子に受け入れてもらえるための、最低限のエチケットは心がけておきたい。
まず、清潔感。女性は生き物として、汚いものとの接触を拒む本能が働く。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。