新幹線vs飛行機 十番勝負

LCCがゲームチェンジャー 路線網対決】LCC大拡張の裏で勃発した JAL/ANAの代理戦争

新幹線とJAL/ANAが激しい攻防を繰り広げて50年がたった。そこに路線開拓の前提条件を変えるLCCが登場した。離島や地方で人を運ぶ新しい公共交通の担い手になりそうだ。

 「拡張率」は200%──。2012年のLCC就航当初と現在の国内線数を比べると、目を見張る結果が出た。

 前述したジェットスター・ジャパン(JJP)と東西の双璧を成すのが、大阪を拠点に急拡大するピーチ・アビエーションである。

 「日本海の海鮮と銘酒を楽しむ最強グルメ旅!」。キャッチーな触れ込みとともに3月、関西国際空港~新潟路線が新規就航した。ピーチはターゲットを若い女性に定めて、SNSのインフルエンサーを駆使したマーケティングで客をつかんできた。


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 大阪女子は新潟へ行きたくても、何しろ不便だった。新幹線なら東京を経由し4~5時間、運賃は2万円以上かかる。それがピーチだと1時間10分、運賃は4190円~で、JAL/ANAの3分の1以下だ。すぐに人気路線となり、搭乗率は85%を記録する。

 ピーチのコンセプトはずばり「空飛ぶ電車」。180人乗り中型機を使って、新幹線やJAL/ANAに価格破壊を仕掛けている。

 利用者アンケートでは、LCCを利用したことがある人は20%強(国内線)にとどまった。乗った理由は運賃が安いから。航空自由化が早かった欧米や東南アジアでLCCシェア(国内線)が30~50%もあるのを踏まえると、日本でLCCの成長余地は大きい。

 その収益構造をざっくり解説すると、1便180万円の収入に対して運航費用は160万円程度。20万円の利益を捻出するために、無駄を徹底的に省く。搭乗率への執念は、席ががら空きでも走る新幹線の比ではない。LCCでは搭乗率90%はザラで、80%を切る路線は撤退も辞さない。

 そんなLCCが勃興する以前は、新幹線対JAL/ANAが東京~大阪で50年余りにわたる攻守戦を繰り広げてきた。

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週刊ダイヤモンド 2018年10/6号 [雑誌]

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ダイヤモンド社; 週刊版
2018-10-01

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陸の王者・新幹線と空の王者・飛行機。東海道新幹線が開業して以降、両者は切磋琢磨しながらしのぎを削ってきた。利用者のライフスタイルの変化や技術革新により、かつては時間や運賃が中心だった「乗り物選びの基準」は多様化した。最近では、セキュリ...もっと読む

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