大人の恋

東京・渋谷のワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さんがお届けする、バーにまつわるコラム連載。お酒を飲むと、人はついつい本音を漏らしてしまうものです。他人に語ることのなかった、禁断の恋の話も。今回は、林さんが耳にしたちょっと切ない大人の恋の物語です。

「王様の耳はロバの耳バー現象」

いらっしゃいませ。

バーで働いていて女性に一番言われるのは「誰か良い人いたら紹介してください」というのは先日お話しましたが、その次に言われるのはこんな言葉です。

40歳くらいの魅力的な既婚女性がこんな風に切り出します。
「林さん、私、女性としてあんまり魅力ないですか?」
「え? そんなことないですよ。すごくお綺麗ですよ。どうしてですか?」
「うち、セックスレスなんです。別に仲が悪いとか主人が浮気しているとかそういうんじゃないんですけど、もう5年くらい全然ないんです」
困りますよね、こういうお言葉。僕はこの手の「セックスレスなんだけど、どうすれば良いと思います?」という質問には未だ完璧な正答を思いついていません。その時々によって「あの、他の人も誰もしてませんよ。してる方が珍しいです」とか「やっぱり必要ですよね。そういうのをご主人と一緒に受けられるカウンセリングみたいなのってあるみたいですよ」という風に使い分けています。

でも、びっくりですよね。まあバーのお客さまは基本的に全員、けっこう酔っているというのもあるのですが、同僚や肉親にはもちろん、親しい友人にも言えないようなちょっとした悩みなんかを、何のしがらみもないバーテンダーには明け透けに言えちゃうってことよくあるんです。これを僕は「王様の耳はロバの耳バー現象」と呼んでいます(ちょっと長いですね)。

好きな人ができた既婚女性は……

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この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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コメント

maaaaai1105 わかる。カウンター越しに曝け出したくなるこの気持ち。何なんですかね、あれ。 5年弱前 replyretweetfavorite

bar_bossa 【07/26 11:43まで無料 】 5年弱前 replyretweetfavorite