わかる日本書紀① 神々と英雄の時代

神が醸す口噛み酒【第十代②】

ややこしい日本書紀をわかりやすく紹介した『わかる日本書紀① 神々と英雄の時代』から、日本の正史を学ぶ連載。

疫病の大流行とオオタタネコ②

【前回のお話】

その夜、夢に一人の貴人が現れました。
御殿の戸に向かい立って自らオオモノヌシと名乗り、言いました。
「天皇よ、もう愁うことはない。国が治まらないのは、私の意志なのだ。もし我が子・オオタタネコ(大田田根子)に私を祭らせたら、たちどころに世は平穏になろう。また海外の国が自ら帰順してくるだろう」

八月七日、ヤマトトハヤカムアサジハラマグワシヒメ(倭迹速神浅茅原目妙姫)と、穂積の臣(おみ)※1の祖先・オオミナクチ(大水口宿禰※2)とイセノオミノキミ(伊勢麻績君)の三人は同じ夢を見て天皇に報告しました。
「昨夜の夢に一人の貴人が現れてこんなお告げをしました。『オオタタネコをオオモノヌシ(大物主大神)を祭る神主とし、また、イチシノナガオチ(市磯長尾市)をヤマトノオオクニタマを祭る神主にすれば、必ず天下は太平になろう』」

天皇は夢のお告げを聞いてますます喜び、さっそく天下に布告して、オオタタネコを探させると、たちまち茅渟県(ちぬのあがた)の陶邑(すえむら)※3で見つかり、送って来られました。
天皇はすぐ自ら神浅茅原(かむあさじはら)に御幸して多くの王卿と部族の長を集めてオオタタネコに、
「おまえは一体誰の子か」
と尋ねたところ、オオタタネコは、
「父はオオモノヌシ、母はイクタマヨリビメ(活玉依媛)といい、スエツミミ(陶津耳)の娘です」
と答えたのです。

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マンガ遊訳 日本を読もう わかる日本書紀1 神々と英雄の時代

村上 ナッツ,村田 右富実,つだ ゆみ
西日本出版社
2018-12-18

この連載について

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わかる日本書紀① 神々と英雄の時代

村田右富実 /つだゆみ /村上ナッツ

『日本書紀』は神代から第41代持統天皇の時代までを扱った日本最古の歴史書です。しかし本文は漢文、全30巻と長く読解は難しいため、正史ながら読んだことのある人はほぼいません。そこで、劇作家が書くわかりやすい文章と、親しみやすいキャラクタ...もっと読む

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コメント

tsunoda_akio #スマートニュース 6ヶ月前 replyretweetfavorite

jimotonohon cakesでの連載『わかる日本書紀①』第十代崇神天皇の章②が公開されております。今回の読めない名前ナンバーワンはヤマトトハヤカムアサジハラマグワシヒメ(倭迹速神浅茅原目妙姫)だと思います。 https://t.co/lvhZQLoMAi 6ヶ月前 replyretweetfavorite