HSC子育てアドバイス(2)五感の感覚過敏が続く場合は、自閉スペクトラム症の可能性も

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCの子を育てる親向けに、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本』をcakesで特別連載!(毎週木曜更新)

五感の感覚過敏がずっと続く場合は、自閉スペクトラム症の可能性もあります



「顔に水がかかることを極端にイヤがるため、いつも洗髪が大騒ぎです」

「点滅する光とか、サイレン音の恐怖症です。『男の子はこういうの好きでしょ』と言われるのですが、消防車、救急車、パトカー、全部ダメな子もいます」

「掃除機、ヘアドライヤー、外出先のトイレの温風の出るハンドドライヤーなどモーター音系がとくに苦手で、耳をふさいでしゃがみ込みます」

「手が汚れることがすごくイヤみたいで、食事中にちょっと手にケチャップやソースがつくと、『汚れた、拭いて』とギャーギャー言います。雨の日に水たまりでバシャバシャやって泥んこ遊びするような無邪気さもありません。粘土遊びも拒否です」

 断片的な情報だけでは判断できませんが、こういった五感に関する過敏さがずっと続き、興味や関心の狭さ、切り替えの苦手さ、きりもなく繰り返す行為などがみられる場合は、ただの敏感気質というより自閉スペクトラム症であるケースが多いです。
 定型発達の場合には、最初は驚いて怖いとかイヤだと感じても、たいていは経験するうちにだんだん慣れていきます。しかし、自閉スペクトラム症の場合は、ずっと慣れません。
 感覚の馴化が起きないのです。「どうして毎度毎度そんなに驚いたりイヤがったりするのか」とこちらが思っても、当人はそのたびに初めての場面に出会っているように感じているのです。
 神経発達症で感覚過敏の症状のある子が多いことは確かですが、みんながみんな感覚過敏なわけではありません。私は、何らかの発達特性を抱えた子どもたち500名ほど(男女比8:2)の感覚過敏性を調べてみたことがあります。受診時に書いてもらうチェックリストに基づいて、前庭・触覚・聴覚・視覚・嗅覚・味覚、さらに超感覚(超記憶・直感・霊感・自然感性・特定恐怖)の敏感さを分析してみたのです。結果、自閉スペクトラム症の子は感覚過敏の比率が高く、なかでも触覚・聴覚・視覚の過敏さが強い傾向がありました。
 けれども、過敏さというのはあくまで発達特性の一部に過ぎません。
 敏感さを考えるときには、いろいろな要素を考える必要があります。持って生まれた気質もある。家族関係の影響もあります。愛着障がいやトラウマ、心の傷が絡んでいることも多いのです。また、神経発達症が関係していることもあります。ですから、何が敏感さを生んでいるのか、精神的な問題として多面的に見なければなりません。

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子どもの敏感さに困ったら

長沼 睦雄

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