貧困は子どもの代、またその子どもの代、と「遺伝」していく

外交がここまでわかりやすく理解できるとは! と話題の『高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢』から特別連載中の今回の記事は、「15 貧困 のはなし ── 親から子へ遺伝する貧困」前後編の前編です。世界では、1日当たり200円で生活している人はおよそ7億7000万人。そして、およそ9人に一人は満足に食事をとることができない……そんな貧困を救うことはできるのでしょうか。

15 貧困 のはなし ── 親から子へ遺伝する貧困

フィリピンの「ストリートチルドレン」との出会い

 ここから2章にわたって、貧困と国際協力の話をします。わたし自身の体験も交えながら書きますので、自分だったらどうするかな、なんて考えながら読んでください。

 わたしと貧困の出会いは、大学生のとき。リゾートで有名なフィリピンのセブ島への女7人の旅。ビーチに近い安宿に泊まり、観光プランも自分たちで立てるような、いわゆる学生旅行でした。旅の費用を少しでも抑えるため、タクシーも一生懸命値切ったりしていました。

 ある日のこと。買い物を終え、街中のショッピングモールでタクシーをつかまえようとしていたときのこと。おそらく7〜8歳でしょうか。10歳には満たないような、まだ小さい子どもたちが、わたしたちのところにやってきました。彼らは小さな手を出して、「お金をちょうだい」と言ってくるのです。彼らの服はぼろぼろで、なかには裸足の子どももいました。

 これが、わたしとストリートチルドレンの最初の出会い。

 彼らのような子どもは、ショッピングモールの駐車場などで生活をし、買い物に来るお客や観光客にお金をせびり、わずかな収入で生活をしています。ほとんどの子には、両親などの身寄りも、家もありません。もちろん、学校にも行っていません。子どもたちだけで外で生活し、通りすがりの人からもらうわずかなコインで食べられるものを食べ、その日暮らしの生活をしているのです。

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高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢

島根玲子

貧困、移民、難民、食料、エネルギー、関税、自由貿易、核兵器……etc.やりすごしている重大問題丸わかり! 元コギャル外交官が明快解説する『高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢』から特別連載!

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