ムカつく」「ウザい」「死ね」その言葉の裏に隠された感情とは?

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか? 人間関係、勉強、家族、容姿…ストレス社会で生き延びる技術を紹介します。『10代のための疲れた心がラクになる本』をcakesで特別連載!(毎週火曜・金曜更新)

「ムカつく」感情とは?

 ぼくのところに通ってきていたある小学生の男の子が、やたらと「ムカつく」「ムカつく」と言っていた時期がありました。
 それで「『ムカつく』ってどういう感情なの? ぼくにはよくわからないから、教えてくれない?」と聞いてみたのです。
 彼は、学校であったことを話してくれました。その日は、同級生にイヤなことをされて、腹を立てていたことがわかりました。
「そうか、そんなことがあったのか。それは『くやしい』っていう感情だね」とぼくは言いました。
「ふうん、これが『くやしい』ってことなんだ」と彼は言いました。
 当時小学3年生、くやしいという言葉は聞いたことがあっても、それがどういう感情なのか、自分のなかで結びついていなかったのです。
 こういうときにみんながよく「ムカつく」と言うから、この言葉しか思いつかなくて、なんとなく使っていただけ。「ムカつく」とはどういうことを指すのか、その子自身わかっていないで使っていたのです。

 別のときに、また「ああ、ムカつく。ああ、ムカつく」と言うので、「どうしたの?」と聞くと、「好きなマンガの新刊を買いに行ったら、売り切れていて買えなかった」と言うのです。
「ははあ、そりゃあ残念だったね。それは『がっかり』という感情だ。でも、本屋さんに注文しておいたら、入ったら教えてくれるよ。お父さんやお母さんに頼んで、ネットの本屋さんに注文してもらう手だってある。がっかりは、考えようによっては『次のチャンスがある』ということだよ」
 こんな話をすると、気持ちが落ちついていったようです。
 自分の感情を表現する言葉として、「ムカつく」しか知らないから、イヤな感情のときには全部これを使っているのです。
 これは小学生の例ですが、言葉を獲得する過程にある君たちも、感情をうまく表現する言葉が見つからなくて、なんとなく手近な言葉を使っているということがあるのではないでしょうか。

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10代のための疲れた心がラクになる本

長沼 睦雄

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか?人間関係、勉強、家族、容姿...ストレス社会で生き...もっと読む

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コメント

uh2tym それな。マジヤバイ。 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

N_nao_taku 言葉を知らないだけで 知らぬ間に人を傷つけてることもあることを大人… https://t.co/sE5WIihzh9 約2ヶ月前 replyretweetfavorite

ikekei355 |長沼 睦雄|10代のための疲れた心がラクになる本 …これ、なるほどなって思った。子供だけでなく大人も自分の感情を表す言葉を知らないんだよね。 https://t.co/BjTaJzb10P 約2ヶ月前 replyretweetfavorite