ワタナベアニです。
プロとアマの差はなんですか?と聞かれることがよくあります。俺個人の基準ですが、だいたい、「結果が見えていて、常にそこに到達できるのがプロ、いい結果が出たモノをセレクトするのがアマチュア」と答えています。
仕事をする上で、うまく撮れませんでした、と言うことはできないので当然なんですが、それは結果が見えてしまっているというつまらなさにも繋がってしまいます。上手くなればなるほど「破綻」に憧れを持つようになります。子供が描いた絵のように。
それを打破するために、カメラをのぞかない「ノーファインダー」という方法で撮ってみたりもします。自分が好きな構図に一番飽きているのは自分だからです。何も見ないでシャッターを切る。こんな風に写っていた、面白い、となるんですが、新しい飽きはまたすぐにやってきます。このレンズの画角ならどこがどう写っているか、がわかってきてしまうのです。
そうなるとノーファインダーももう楽しくありません。そうやって技術は向上していくんですが、やはり新鮮さは欲しい。「見た瞬間の驚き」は、写真を撮る上で必須の衝動ですが、毎日見ている風景を新しく見られる能力も同時に必要です。
人を撮っていると毎回新鮮なので楽しいです。それが知らない土地の人ならなおさら。風景はどうしようもなく「自分のクセ」が出ます。渋谷でもアテネでも変わりません。それは個性なので別に悪いことじゃないんですけどね。
目新しいモノを見て驚いても、自分のやり方で自分の写真になっている。それが理想ですよね。
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