グーグルも目を付けた価格メカニズム 先端のオークション活用法

グーグルの主力収益源である検索連動型広告にも応用されてきた、ゲーム理論における「オークション」。実用性の高いこのメカニズムの基本や世界の先端事例の一端を紹介しよう。

 あの米グーグルにおいて収益源の大黒柱がゲーム理論に支えられていることをご存じだろうか。

 それはあなたが日々、何かを「ググる(グーグルで検索する)」ことで画面上に出現する広告をクリックした際、広告主からグーグルに報酬が支払われる「検索連動型広告」に理論が応用され、組み込まれていることを指す。詳しくは後述するが、そこではゲーム理論の重要な一側面を成す「オークション」の知見が存分に生かされているのだ。

 オークションとは、一人の売り手に対して複数の買い手がそれぞれの入札行動をどのように取るかを読み合いながら、物品・サービスなどをめぐって価格を競り合う仕組みのこと。経済学の中でも実用性が高い分野のため、現実社会に取り入れられている範囲も広い。インターネット検索サイトの企業広告からネット上の個人間売買、空港発着枠や国債の競売に至るまで、広く浸透している。

 そんなオークションの理論は、1961年にウィリアム・ヴィックリーという米コロンビア大学の経済学者が発表した論文によって礎が築かれた。近年ではマーケット(市場)のデザイン(設計)を変えることでより洗練されたオークションの仕組みの確立を目指す「マーケットデザイン」という学問分野に発展しており、現在も各地で盛んに研究が行われている。

 諸外国ではオークションの仕組みが生かされているのに、日本では未導入の分野もある。その代表例は、通信事業の免許を販売する周波数のオークションだ。

 マーケットデザインに詳しい慶應義塾大学の坂井豊貴教授は、「OECD(経済協力開発機構)加盟国で周波数オークションを未導入なのは日本ぐらい。その分、活用の余地も大きい」と指摘する。

 さてこのオークション、基本型としては四つあり、それらは入札額が見える状態で実施する「公開オークション」と、入札額が見えない形で行われる「封印オークション」の二つに大別される(下図参照)。

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