死ぬこと以外かすり傷ではない
死ぬこと以外かすり傷、と宣言する人もいるが、死ぬこと以外かすり傷ではないことは、揉めている作家を攻撃するために自社刊行物の実売部数をTwitterで晒した幻冬舎・見城徹社長が、そのツイートを削除したことからもわかる。ご機嫌斜めの社長による一投がこうして企業そのものの痛手になるのだから、死ぬこと以外かすり傷ではないのである。
ちなみに「幻冬舎の舎は舎弟の舎」との冗談があるそうで(箕輪厚介『死ぬこと以外かすり傷』)、その舎弟っぷりって具体的にはどういうことなのかと、見城と箕輪の本を読み比べてみれば、見城の本には「24時間寝ないで働いて、最後は血の小便が出た」(見城徹『読書という荒野』)とあり、箕輪の本には「『オレはお前らが寝てる間も動いている。誰よりも量をこなしてきた。舐めるなよ』と、確かな感覚が手に残っていれば、胸を張って戦える」とある(前掲書)。とても似ている。それもそのはず、箕輪は、自分のフォロワーには見城の本は読んでほしくない、なぜなら「すべてが見城さんのコピーであることがバレてしまうから」(見城徹『異端者の快楽』解説)とまで書いている。「多くの批判と世間からの返り血を浴びながら、それでも共感してくれる人を集め、巻き込んでいく。そんな教祖力を持った人がこれからの時代をつくっていく」(箕輪・前掲書)と書いていたのも師匠からの受け売りだとすると、今回、そもそも師匠は「批判」や「返り血」をキチンと受け止めたのだろうか。
「返品数を確かめようとする編集者が何人いるだろうか」
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。