ゲーム理論の数式で判定 W杯で物議醸したパス回し

サッカーW杯ロシア大会のポーランド戦終盤、パス回しを続けた日本の消極策は物議を醸した。だが、実はゲーム理論的に考えると、1次リーグ突破への正しい決断だったことが分かる。

 数多くの大熱戦が展開されたサッカーW杯ロシア大会で、日本代表は惜しくもベスト16で散った。歴史的な名勝負となったベルギーとの一戦は称賛を集めたが、1次リーグ突破を決めた直前のポーランド戦では、0-1で負けていながら終盤に10分以上パス回しを続けた消極的な試合運びが、世界中で物議を醸したことも記憶に新しい。

 「スポーツマンシップに反する」といった倫理的な批判はさておき、1次リーグ突破の確率を最も高めるためには、ゲーム理論的に見て日本がパス回し戦略に打って出たことが明らかに正解だったといえるのだ。

 当日同時に別会場で行われていた試合で後半29分、コロンビアに先制されたセネガルと日本は勝ち点や得失点差で並び、警告者の数などで計算される「フェアプレーポイント」の差で1次リーグ突破が左右される際どい状況となった。セネガルが点を取り返せない限り、日本は警告を受けず追加点を取られなければ突破が決まるため、ただただパス回しを続ける“安全策”に走ったのだ。

 ゲーム理論に詳しい香川大学の天谷研一准教授の協力の下、日本代表の選択が正しかったという論理展開を示したのが下図だ。

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