第2回】まずはとにかく始めよう

様々なテレビ番組に出演中の、東進ハイスクール・東進ビジネススクール英語科講師の安河内哲也さん。予備校講師の仕事は、生徒たちのやる気を一年間維持することにあるといっても過言ではない。20年にわたり、講師として第一人者であり続ける著者がはじめて開陳する”ひとのモチベーションの上げ方”を初公開!

エンジンをかける前にブレーキ踏んでどうするんだ?

 読者の皆さんには、資格試験を目標に勉強をしている人も多いと思います。
 英語の資格だったら、今最もポピュラーなのはTOEICです。
 「TOEICを受けようと思うんですけど、まず何をやればいいですか?」
  こんな質問をよく受けます。

 TOEICは年に八回もチャンスがあります。しかも合否判定があるわけではないので、「落ちた」というショックを味わうことがない。点数によって会社の昇進試験の道が開かれるといった影響はあるでしょうが、何度も繰り返し挑戦して自分の力をステップアップさせていくのにはちょうどいい土俵です。
 「何か特別な勉強をしてからと思ったりしないで、いまの自分の実力がどの程度なのか知るためにも、どんどん受けてみれば?」
 「いや、いまの僕の力ではムリです。点数が低かったら恥ずかしいし、勉強してからと思っているんです」
 「とにかく気楽に受けてみたらいいじゃない。行ったらいろんなひとが受けに来ているのがわかるよ。そういうひとたちを見ていたらやる気も出てくるし、自分は次に何をやるべきか自然とわかるから」
 「でも……」
 「点数が低かったから恥ずかしい」などと言っていたら、いつまでたっても受けられません。やる前からつまらない心配ばかりしないで、受けてみればいいのです。

 こういうタイプは、やる気の芽がまったくないわけではないのです。少なくとも「変わらなくては」という意識はあります。
 ただ、自分の中のネガティブな感情に邪魔されて、一歩が踏み出せない。アクセルを踏む前どころか、車のエンジンをかける前にブレーキを踏んでいるようなものです。
 グズグズ言って躊躇しているのは、時間の無駄。とにかく動いてみることです。次の試験日程を調べて申し込んでみる。どんな勉強をするかは、それから考えればいいのです。

 だいたい、やる前にいろいろ考えても何も生産的な結果を生みません。
 英語を教える生徒たちに私はよく言います。
 「ごちゃごちゃ考えるより、まずこの授業受けてごらん。五回受けてやる気が出なかったら、そこで考えよう」
 予備校の授業にしても、大学生や社会人を対象にしたビジネス英語のクラスにしても、多くの授業は五回受けたらもっと続けたくなるように考えてありますから、本人が「受けてみよう」という自発的ムーブを起こしてくれさえしたら、あとはエンジンがかかりやすい。どんどんやる気をかきたてていくことができるようになっています。
 しかし、そこに向かって最初の一歩を踏み出すかどうかは、本人の意志次第。周りの人間がどうしてやることもできません。

  Point→思ったら、あれこれ心配する前にやってみる

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人を「その気」にさせる技術

安河内哲也

予備校講師の仕事は、生徒たちのやる気を一年間維持することにあるといっても過言ではない。20年にわたり、講師として第一人者であり続ける著者がはじめて開陳する”ひとのモチベーションの上げ方”とは?

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コメント

porpor35 うだうだ言う暇があったらやれ。 約5年前 replyretweetfavorite

kadokawaone21 cakes更新! 様々なテレビ番組に出演中の安河内哲也先生が、物事を達成するために大切なことを語っています→ 約5年前 replyretweetfavorite