なるほど分かった!囚人のジレンマ 使える「戦略思考」の基本のき

ゲーム理論を基礎から学んでみよう。身に付ければ、大きな武器になる。渡辺隆裕・首都大学東京大学院経営学研究科教授が誌上講義をしてくれる。まずは「囚人のジレンマ」からだ。

 ゲーム理論のゲームはざっくりと「同時に行う戦略形」「順番に行っていく展開形」に分かれる。基本のきとなるのは戦略形ゲームだ。ここから学んでいこう。

 ゲームの構成要素は「プレーヤー」「戦略」「利得」の三つだ。

 プレーヤーは人、会社、国家などのさまざまな主体。戦略はいかにも難しそうだが、何らかの「行動」や「選択肢」と考えればいい。

 利得はプレーヤーが戦略を選んだときの予測結果だ。利益など具体的な数値の他、それを得点に置き換えたもので構わない。

 まずは相手の立場になって行動を予測し、自分がどんな戦略を取ればいいのか、利得が高くなるのかを分析しようというものだ。

 こうした戦略形ゲームの中で、筆頭格に位置するのが「囚人のジレンマ」である。いったん似たような状況に陥ると、ジレンマを抜け出すのは極めて難しい。

 ストーリーはこうである。重い罪を犯した2人が、拳銃の不法所持で別件逮捕されている。重罪の証拠はまだない。

 検察は2人を別の部屋に隔離して取り調べを行い、それぞれに司法取引を持ち掛ける。「もし、相手が黙秘し、君だけが自白すれば無罪にしてやる」というのである。

 お互いに黙秘していれば、別件逮捕の懲役1年で済む。だが、誘いに乗って自白し、相手が黙秘したままならば、当人は無罪釈放、黙秘したままの相手は懲役10年となる。2人とも自白すると、自分だけが黙秘して警察に協力しないよりはましで懲役5年だ。

 このとき、囚人Aと囚人Bの2人はどんな行動を取るか。

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