第2回】ラベルと実際の味が違う?! 「日本酒の味」のホントのところ

身につけると日本酒をめいっぱい楽しめるようになるのが、「味」の伝え方。「辛口」とか「甘口」とか言っておけばいいんじゃないの?とお思いのあなた。それだけだと、自分の好みにうまく合うお酒を見つけるのがなかなか難しいんです。的確な味の表し方を学べば、自分好みの日本酒にたどりつきやすくなりますよ!

今回は、とても難しく、そしてある意味タブーに近いんじゃないかという、「日本酒の味」について踏み込んでいきます。いや、タブーとまではいえないんですが、一番難しく、そして面倒なので多くの人が避けたがる問題なのは確かです。

え? 日本酒の味って甘口とか辛口って言えばいいんじゃないの? と思う方もいるかもしれません。実はもうちょっと複雑なのですね。でも、ここを理解できると、こういう味の日本酒が好きと言える、こういう味の日本酒が欲しいと注文できるようになります。そうなれば、きっと日本酒ライフはとても充実することでしょう。では順を追って話していきます。

日本酒の味わいは2つの軸で表される

まずは、基本のパターンから見ていきましょう。多くの日本酒は、ラベルや瓶の肩のところに「淡麗辛口」などと書かれています。これが、日本酒の味わいの目安を表しているのですね。

ここで使われている言葉は「辛口」か「甘口」か、「淡麗」か「濃醇」かになります。この2つを軸にして、味わいを表しているのです。

「辛口」か「甘口」かは、日本酒の中の糖分の割合で判断します。すごい簡単に言うと、糖分が多ければ甘口に、糖分が少なければ辛口になるというわけですね。じゃあ、その糖分の割合はどこを見ればいいのかというと、「日本酒度」という数値を見るのです。

日本酒度は名前だけ聞くと「日本酒」の度合いを測るという、わかったようなわからないような言葉に見えます。その実態は、日本酒と水の重さを比較して、水よりも重いか軽いかで測る数値になります。

アルコールは水より軽く、糖分は水より重いです。そのため、糖分の割合が多い(相対的にアルコールの割合が少ない)とそのお酒は水より重くなり、アルコールの割合が多い(相対的に糖分の割合が少ない)とそのお酒は水よりも軽くなるのです。水より重いと日本酒度はマイナスで表され、水よりも軽いとプラスで表されます。

「淡麗」か「濃醇」かは、味わいの濃さで判断します。「淡麗」はすっきりとした味、「濃醇」は濃い味のお酒という意味ですね。これらはだいたい日本酒の中の酸の含有量で決まります。日本酒の中にはリンゴ酸、コハク酸、乳酸、アミノ酸といったさまざまな酸が含まれているのですが、一般にこれらの酸が多いと味は濃くなるといわれています。

酸の含有量を表す数値に「酸度」があります。この「酸度」が1.3〜1.5あたりを基準として、それよりも少ないと「淡麗」に、多いと「濃醇」になります。

「辛口」か「甘口」か、「淡麗」か「濃醇」か。この2つの軸を組み合わせて「淡麗辛口」と言ったり「濃醇甘口」と言ったりしているのですね。つまり、大きく分けると日本酒の味わいは「淡麗辛口」「淡麗甘口」「濃醇辛口」「濃醇甘口」の4つになります。それぞれの味の具体的なイメージと、そのイメージに合うお酒を紹介しましょう。

淡麗辛口:すっきりとした飲み口で後味もさわやか。のどごしもいいお酒

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今宵語りたくなる日本酒のはなし

杉村啓

夏本番。暑くてのどが渇くぶん、お酒の美味しい季節です。ビールやワインを飲むのもいいけれど、日本酒はいかがですか? 自由大学で「入門日本酒学」を教え、数々の蔵元とも交流する日本酒ライター・杉村啓さんの案内で、奥が深い日本酒の世界をのぞい...もっと読む

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コメント

mu_mu_ 一番日本酒ファンにウケがよかったのはこちらdesu 4年以上前 replyretweetfavorite

mu_mu_ 第二回がこちら。 4年以上前 replyretweetfavorite

mu_mu_ 合わせて読みたい2。各界で大好評の2回目! 4年以上前 replyretweetfavorite

mu_mu_ 2回目はこちらです。 5年弱前 replyretweetfavorite