日本の食卓を陰で支える食品の流通網。卸会社といった中間業者の存在から、運ぶ商品の温度帯や特性の違いまで、その構造は複雑多様だ。
基本的に食品流通は、食品メーカーが商品を卸会社のセンターに納入し、卸はそこから小売り向けに商品を仕分け、店舗まで配送するという3者の役割で成り立つ。
近年では、チェーン展開により小売りがバイイングパワーを備えたことで、小売りが自社の物流網や配送センターを持ち各店舗への配送を担ったり、メーカーが小売りのセンターまで卸を経由せず直送したりする例も増えた。
ビールを筆頭に規模が大きく効率的で共同配送が進むなど、ある意味“物流強者”とも目される食品物流。だが、実情は異なっているようだ。
そもそも、食品は運送業者から敬遠される“不人気”な業界だ。なぜか。その理由は、拘束時間の長さと付帯作業の多さにある。