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「生鮮食品配送は、壮大な実験としか言いようがない。日本で成功するかどうかは正直しんどい部分もあるが、未来を見据えた巨額投資だ」
昨年4月から始まった生鮮食品配送サービス「アマゾンフレッシュ」について、アマゾンジャパンのある元幹部はこう解説する。
インターネットの商取引で、生鮮食品の配送は“鬼門”である。消費者は商品を手に取って選ぶことを好み、鮮度や在庫を管理する手間が掛かる。国内の大手小売業者なども取り組んできたが、結果はぱっとせず、必勝法がないのだ。しかし、アマゾンはあえてそこに踏み込み、勝負を続ける。
「アマゾンが『地球上で最も豊富な品ぞろえ』を掲げる以上、食品を扱わない理由はない」(アマゾンジャパン・金子和成シニアオペレーションズマネジャー)からだ。
米国では2007年に先行して始めており、国内でのサービス展開に当たっても、仕組みをゼロから立ち上げたわけではなく、米国で磨いてきたシステムを導入したという。米国で先行して試し、成功モデルを築いて世界に展開する手法はアマゾンの常とう手段だ。
手作業の袋詰めから
棚の高さや配置まで 米国モデルを導入
鮮度とスピードが求められる生鮮食品の配送の工夫は、物流倉庫から始まる。その最前線が、川崎市のフレッシュ専用の物流倉庫、川崎フルフィルメントセンター(FC)だ。
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