物流クライシス

送料ゼロ」が終わる日

「アマゾンでーす」。インターホンのモニター越しに、おなじみの段ボール箱を抱えた配達員が見える。ドアを開けると、カタコトしか日本語を話せない中国人だった──。

 正体不明の配達員が増えている。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社で93%の宅配シェアを握っているはずなのに、最近は、ベージュにストライプのシャツ、青じまシャツなどの制服を着ていない配達員が増えた。配送車に書かれた○○運送という企業名にもとんと見覚えがない。

 一体、荷物を運んでいるのは誰なのか。謎の配達員の正体は、大手宅配会社やアマゾン等の小売業者から配送業務を委託された運送会社社員や個人事業主がほとんどだ。ネット通販の拡大で物量が激増しており、下請けに依存しないと荷物を運び切れないのだ。

 カタコト外国人、新聞販売店スタッフ、副業で集荷のみならず宅配まで手掛ける商店主、高齢のバイト──。人手不足、極まれり。アマゾンも宅配会社も、使える人は誰でも動員しようとしている。


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 ここに商機を見いだそうとしているのが、物流ベンチャー、ラストワンマイルソリューションの近藤正幸社長だ。近藤社長は佐川の出身。新聞販売店を組織化し、販売店スタッフが新聞も荷物も運ぶ仕組みを構築しようとしている。「全国の新聞販売店約1万7000店のうち、1割で宅配サービスを行うのが目標」(近藤社長)だ。

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週刊ダイヤモンド 2018年5/26号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2018-05-21

この連載について

物流クライシス

週刊ダイヤモンド

ヤマトのアマゾン切りで始まった物流の混乱は、収まる気配がない。混乱の舞台は、ネット通販などの宅配サービスだけではなく、産業全体にも広がりを見せている。配送料の高騰や物流網の寸断が企業活動のボトルネックになりつつあるのだ。個人も企業も巻...もっと読む

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