領海のはなし
ここからは、公海以外の海についても見てみましょう。たとえば「領海」。
領海というのは、その名のとおり、どこかの国が領有している海です。公海のように、誰のものでもありません、というものではありません。
領海の範囲というのは、国際法で決められています。その国の領土の外側12海里です。1海里は1・852キロなので、12海里となると、約22キロ、ハーフマラソン1回分、箱根駅伝の1区間くらいということになります。
領海は基本的には領土と同じで、領有する国が自由に活動できます。埋めたてるのもよし、漁業をするのもよしです。他の国は勝手に漁業をしたり、天然資源を採掘したりしてはいけません。このように、領海はまるで領土のような扱いです。
ただ、ひとつ例外があります。領土や領空の場合には、許可なく入ってきた人や飛行機は、強制的に出て行かせることができます。しかし、繰り返しになりますが、海はみんなのもの、という考え方が強いのです。むやみに「とおせんぼ」をしてはいけません。
そこで、沿岸の国に悪影響を与えなければ、許可がなくても自由に通航していいですよ、ということになっています。これを「無害通航」と呼びます。
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