マナー違反を見かけたら、怒る? それとも...

どんな場所でもマナー違反に対し、声を荒げる人がいます。それは山小屋でも同じ。でも、知らない人にはやんわりと教えてあげればいいだけのこと。指摘する側になっても指摘される側になっても、謙虚な態度で相手に接したい、と10年間山小屋で働いていた小屋ガールの吉玉サキさんは語ります。

少し前にTwitterで、ある銭湯の張り紙がバズっていた。

「一見さんや若い方の中には浴場マナーを理解されてない人もおられます。
しかし多くのケースでは、そこに悪意はありません。ただ経験が少ないだけです。
きつい言い方でしかるのではなく、やさしく注意していただくか、番台に声をかけて頂けると有り難いです」

それを見て、「山も同じだなぁ」と思った。

山でもたまに、他人の無知にものすごく怒る人がいる。だけど、知らない人には教えればいい。それだけのことだ。

その教え方って性格が出るし、教えられたほうの態度にもやっぱり、性格が表れると思う。


知らない人には教えればいいだけ

山小屋には守ってほしいマナーがある。

たとえば、山小屋にはゴミ箱がない。山小屋で購入したもののゴミは引き取るけど、自分で持ち込んだものはすべてお持ち帰りいただく。

一般的に山のルールと呼ばれるものがあり、「ゴミは持ち帰る」というのもそのひとつ。山小屋でゴミを引き取らないのは、山のルールに準じているからだ(ゴミをヘリで降ろすため、コストや保管場所などの問題から物理的にムリ、という理由もある)。

しかし、山小屋にゴミを捨てていく人がいて、そういう人は2タイプに分類できる。

A ルールを知っているのに違反する人
B ルールを知らないため、ついうっかり違反してしまう人

知っていて違反する人は、当然それが「バレたら怒られること」だと認識している。だから、スタッフにバレないよう、トイレの汚物入れにこっそり捨てていったり、布団の下に隠すように置いていったり……。

はっきり言って、めちゃくちゃ腹立たしい。そういう人は、注意されればそのときは渋々持ち帰るけど、きっと別の山でも同じことをしているのではないか。

一方、ゴミを持ち帰るというルールを知らない人は、無邪気に「すみませーん、これ捨てといてください」とゴミを渡してきたりする。

そういう人には、「すみません、うちで買ったもの以外のゴミはお持ち帰りいただいてます~」と言えば、ほとんどの場合「あっ、そうなんですね」と納得し、持ち帰ってくれる。

山小屋スタッフとしてどっちが困るかというと、知っていて捨てる人だ。

個人的に、知らずにうっかりルール違反してしまった人には、そこまで目くじらを立てることもないと思っている。


「無知を許容しろ」とは思わない。大事なのは「どう教えるか」

誤解されたくないのだが、私は「無知を許容せよ」と言いたいのではない。

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小屋ガール通信

吉玉サキ

第2回cakesクリエイターコンテスト受賞作! 新卒で入った会社を数ヶ月で辞めてニート状態になり、自分のことを「社会不適合者」と思っていた23歳の女性が向かった新天地は山小屋のアルバイト。それまで一度も本格的な登山をしたことのなかった...もっと読む

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コメント

uco_nv 「無知を許容しろ」とは思わない。大事なのは「どう教えるか」 ああ、これ、どんなことにも言えるよな。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

bymbolirudolf 「無知を指摘されることって、知らなかったことを知ることだ。」「自分自身… https://t.co/3lY2DEsF9X 2ヶ月前 replyretweetfavorite

megamurara 「それとも・・・」の先が昨今とても重要なこだと感じています。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

kirch_ahoff イラッとする気持ちもわかる 気をつけてみたい 2ヶ月前 replyretweetfavorite