文系ビジネスマンにとっては、線形代数もまたとっつきにくいものですね。ただ、難しいことは必要ありません。まず、数字が表の形で並んでいるものが行列である、と考えてください。
皆さんもよく使っているExcel(エクセル)。これも行列です。画像のデータもそう。写真を撮るということは、行列を作っているということでもあります。
チャットボットが注目を集めていますが、文書のデータを分析するために、単語にばらしてから表にしています。
ソーシャル・ネットワーキング・サービスの中の関係性のような、もやっとしたものを分析するときもしかり。Aさん、Bさん、Cさんのうち、誰と誰の仲がいいかを分析するには、例えば、それぞれがメッセージをやりとりした回数を表に置き換えたりします。
データ分析では、何でもかんでも行列にするのです。行列の扱いを学んでいく前に、ベクトルについて理解しておく必要があります。
ベクトルとは何か。平たく言えば、一覧表のような行列に対して、縦(行)や横(列)1列に数字を並べたものです。ただ、この理解だとデータ分析で使うにはいまひとつ。ベクトルとは「幾何学的に大きさと向きのある量」だと考えてほしい。
「南東の風、風速5メートル」がベクトル的表現であるように、ベクトルとは矢印。数字が並んでいるものはベクトル、ベクトルを見たら矢印だと思ってください。
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