こちら、幸福安心委員会です。

最終回 シンジツ・ブロードキャスティング 【サイレン 〈No.01〉】 粛清タイム

漣たちの捜査によって、シンジツ放送局の取締役が粛清されることになった。サイレン女王の歌に乗せて、極刑の準備は進む。今日もみずべの公園市国は幸福で安心です――。
人気ボカロ楽曲「こちら、幸福安心委員会です。」のノベライズ第2弾の発売を記念して、第1弾ノベル『『こちら、幸福安心委員会です。』の一部を公開します。


 彼らの手には、清掃用の黒いビニール袋と、液体をこぼさないようにするプラスチックの大型槽。廃物を細かく切断するためのノコギリ。その他もろもろの大事な清掃道具。それから、各自のゴシック。
 シンジツ放送局の正面門から、幸福安心委員たちは、正々堂々と踏み込んでいく。
 不幸分子に逃げられる心配はないからです。私が、電波塔からすべてを操っている。その他の出口は、すべて電子的に封鎖。
 ほら、今もガチャガチャと一生懸命、裏口のノブを回そうとしている。
 でっぷりと太った男は、瀟洒で高価なスーツなど着ているけれども、ダラダラと額に汗を流して、いかにも不潔で不幸そう。
 でも大丈夫、すぐに、その不幸と不安は取り除かれます!

 私は、放送局じゅうのモニタを点灯させる。
 あらゆるスクリーン、壁面POP広告、洗面台の鏡、それから不幸分子たちが持っているシンクフォン。いっせいに鳴り出す。幸福と安心の歌が流れ出す。

〈幸福なのは義務なんです♪ 幸福なのは義務なんです♪ 幸福なのは義務なんです♪
 幸せですか? 義務ですよ? 果たしてますか♪〉
 

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こちら、幸福安心委員会です。

wogura /うたたP /鳥居羊

巨大ウォーターフロントにある「みずべの公園市国」。そこは完全で完璧な女王サイレンと呼ばれるAI(人工知能)が統べる国家だ。サイレンは自らの分身である“オンディーヌ”と、市国民のなかから選ばれたエリート集団“幸福安心委員会”を使って市国...もっと読む

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