喫茶店のテーブルの上で、解お兄さんは、ゴシックのタッチパネルに指を滑らせる。
コネクト・アイコンを選択。さらにケーブル形状を選ぶと、ゴシックから赤いケーブルが飛びだしてきた。
そう。こんなふうにゴシックは、公園市国のどんな電子機器にも接続出来る。解お兄さんは手慣れた手つきで、漣くんの持ってきた記録装置をゴシックに接続。アクセス。
スクリーンに表示されたファイル階層を指先でドラッグしながら、シンジツ放送局の発信ログを追っていく。
「こいつだ、間違いない。あの集団がデモステネスだ。しかしなぜわかった、漣?」
「ただの確率。半々かな、って思ってたけど、僕があいつらだったらどうするか、って考えた時に、シンジツ放送局が不幸分子だっていう確率が、少しだけ上がった」
「ど、どういうことなの?」
私は、目をぱちくりとさせる。まだ良くわからない。
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