麻婆豆腐が日本に伝えられたのは1950年代。陳建民さんと黄昌泉さんが当時、日本で手に入る食材を使い、日本人向けにアレンジした形で広まりました。
日本式の麻婆豆腐は豚肉を使い、甜麺醤(テンメンジャン)という甘味噌で味をつけ、豆腐はにがりで固めたものを使います。一方、本場の麻婆豆腐は豚肉ではなく、牛肉を使います。海のない四川省では汲み上げた地下水から塩をとっていたのですが、そこで働いていたのが牛。働けなくなった牛は安い食材だったそう。
また、甜麺醤を使うのは日本人好みの味にするためのアレンジで、本場では使いません。使用する豆腐も違います。内陸部の四川省では海水からとれるにがりではなく、石膏からつくる硫酸カルシウム(現在はグルコン酸も多い)で豆腐をつくります。本場の豆腐は日本で食べるものよりやわらかく、やや酸味のある味。それが油の多い麻婆ソースとマッチするのです。
今回は日本式の麻婆豆腐にさらにアレンジを加えた和風の麻婆豆腐をご紹介します。日本の豆腐にあわせて、油脂の使用量を減らし、辛味も控えめにしてあります。もちろん、好みで調節し、本場の味に近づけたい方はTipsを参照してください。
麻婆豆腐
豚ひき肉…200g
絹ごし豆腐…1丁(好みで木綿豆腐でも可)
ごま油…大さじ1
ニンニク…2片
豆板醤…小さじ1
米味噌…30g(お味噌汁に使う味噌、赤だし味噌でもよい)
砂糖…大さじ1
日本酒…50cc
水…100cc
醤油…大さじ1
塩…1.5g(小さじ1/4))
長ネギ…1/2本
ニンニクの芽…1本
片栗粉…小さじ1(小さじ2の水で溶いておく)
黒胡椒…適量
ラー油…好みで
作り方
1.ニンニクと長ネギはみじん切りにし、豆腐は2cm角を目安に切る。ニンニクの芽は斜めに薄切りにし、小鍋に豆腐を茹でる用の水500cc(分量外)を沸かしておく。フライパンにごま油大さじ1と豚ひき肉を入れ、中火で炒める。
2.焦げ目がついてパチパチという音がするくらいまでしっかりと炒めたら火を弱火に落として、ニンニク、豆板醤、味噌、砂糖を入れてさらに炒める。(Tips1 肉はしっかりと炒める)
3.豆板醤の色が油に移り、味噌が全体に馴染んだら、酒と水、醤油、塩を加えてひと煮立ちさせ、弱火で2〜3分間煮る。(Tips2 豆板醤の種類にもいろいろあります)
4.小鍋に沸いている水500ccに塩5gを加え、豆腐を茹でる。1分間〜2分間ほど茹でると豆腐に弾力が出てくるので、ざるにあけて水気を切る。(Tips3 豆腐は塩水で茹でると弾力が出る)
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