詳しく書かれなかった八人の天皇
カムヌナカワミミ(神渟名川耳天皇=第二代綏靖(すいぜい)天皇)は、神武天皇の御子で、母はコトシロヌシ(事代主)の姉娘・ヒメタタライスズヒメ(媛蹈韛五十鈴媛命)です。
小さい頃から、容姿は人よりも優れ、また雄々しく、成人してからは美丈夫で沈着、豪胆でした。
四十八歳のとき、父・神武天皇が崩御しました。
母違いの兄・タギシミミは、喪に服している間も権力をほしいままにして、密かに弟皇子二人の殺害を企てていました。
カムヌナカワミミと兄・カムヤイミミ(神八井耳命)はそれを察知し、良い弓矢を作らせ、タギシミミのもとに忍んで行きました。タギシミミは一人で寝ている様子です。カムヌナカワミミは言いました。
「兄上、このことはまだ誰にも明かしていません。この機を逃さず、今、決行しましょう。私が寝室の戸を開けますから、兄上が矢を射てください」
二人は突入し、カムヌナカワミミが、寝室の戸を突き開きました。
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