マスクが外せるようになれば、心のトビラが開くステップ

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか? 人間関係、勉強、家族、容姿…ストレス社会で生き延びる技術を紹介します。『10代のための疲れた心がラクになる本』をcakesで特別連載!(毎週火曜・金曜更新)

変化の兆しは「出せる」ようになること

 つらい気持ちをかかえている人は、身体に何かしら特徴があらわれていると言いましたが、いつもマスクをしている人は、自分を見られたくないという防衛的な気持ちが強くあります。
 クリニックに通ってきている人で、マスクが外せるようになるというのは、心のトビラが開きはじめたひとつのステップです。
 10代に多いのが、髪で自分を隠す人。前髪をたらして、顔がよく見えないようなヘアスタイルをしているのも、自分を隠したい心境のあらわれです。

 以前、不登校、ひきこもりで、中学生のときから5年くらい診ていた男子がいました。お母さんに連れられて、通院してきていました。
 彼は、後ろから見たら女の子かと思うくらい、髪を伸ばして長くしていました。その長い髪に、マスク姿、猫背姿勢でやってきます。
 でも、来ても何も話さないのです。
 いろいろ治療を行っているうちに、あるときから突然、勢いよくしゃべりだしました。それからどんどん変わりはじめて、姿勢もよくなりました。
 そうしたら、背中まで伸ばしていた長い髪をばっさり切って、それをヘア・ドネーション──病気などで頭髪を失った子どもたちに無償で髪の毛を提供すること──しました。
 背筋が伸び、髪型がスッキリし、マスクも外した彼は、別人みたいでした。
 どの治療法が彼を変えるきっかけになったのかは、ぼく自身もわかりません。きっと来るべきときが来た、機が熟したのでしょうね。
 ひょっとしたら、ヘア・ドネーションということを何かで知って、自分の髪が人の役に立つと思えたことが、ひとつのきっかけになったのではないかとも考えています。
 自分のなかに変わろうという兆しが芽生えることが大事。その芽が何かというのは周りの人間にはわかりません。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載について

初回を読む
10代のための疲れた心がラクになる本

長沼 睦雄

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか?人間関係、勉強、家族、容姿...ストレス社会で生き...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません