14 海と空 のはなし ── 漫画『ワンピース』のルフィは「海賊」ではない?
海って誰のもの?
地球上の海の広さは、地球の面積の約70%。地球のほとんどが海なのですね。地球上の大きな海は順に太平洋、大西洋、そしてインド洋。この三つで地球上の海の面積の90%を占めます。いちばん深い海はマリアナ海溝といって、グアムの南西あたりの海。その深さは、世界最高峰エベレストがすっぽりと入ってしまうもの。海底にはどんな世界が広がっているのでしょう。
ちなみに、地球上にある水の量は約14億立方キロメートルで、そのほとんどが海水なんだそう。約97%が海水で、残りの3%が飲み水。わたしたちは地球上の3%の水を76億人で分け合っているのです。あらためて、水は大事にしなくてはと思います。
さて、そんな広い海ですが、海って誰のものなのでしょう。誰、というよりかはどこの国、と言ったほうが正しいかもしれません。陸地に決まりがあるように、海にもいろいろと決まりがあります。
領土に関する話の中で、領土は譲れないといいましたが、海も同じくらい譲れません。では、そもそもなぜそこまで海が大事なのか、少し考えてみましょう。
お魚大好き日本人
日本人の魚の消費量は一人あたり年間24・6キロ。最近は日本人の魚離れが進んでいますが、それでもわたしたちの食卓に魚は欠かせません。
私たちが普段食べている魚の自給率はおよそ56%。つまり、半分くらいは輸入に頼っていることになります。日本は海産物をさまざまなところから輸入しています。スーパーマーケットのお魚コーナーに行くと、いろんな国の名前を目にすると思います。えびはインドネシア、マグロはマルタ、いわしはチリ、たこはモーリタニアなど、私たちの食卓に上る海産物は、世界中から輸入されています。
このように、わたしたちの食生活を考えると、海産物というのは非常に大事です。海産物をもたらしてくれる恵みの海、ということに注目しても、海の重要性がわかると思います。
海に眠る天然資源
海にあるもうひとつの資源、それが石油や天然ガスなどの天然資源。天然資源が埋まっていることからも、海というのは非常に重要な財産です。
13章の領土のはなしでもふれましたが、中国が尖閣諸島に関する権利を主張しているのは、島そのものというよりは、その周辺の海底にある資源が目的なのです。中国が尖閣諸島に関する権利を主張し始めたのは、尖閣諸島周辺に石油が埋まっている可能性が指摘され始めた1970年代から、というのもすでにふれたとおりです。
海底に眠る資源、それも海の重要性を構成する大きな要因の一つです。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。