出雲充(株式会社ユーグレナ)vol.2 銀行を辞め、ミドリムシ研究者の仲間に

バングラデシュの栄養問題と向きあうなか、栄養豊富な微生物「ミドリムシ」にその突破口を見出した出雲社長。しかし、大学卒業時にはまだミドリムシの屋外大量培養の技術が完成しておらず、いったん三菱東京銀行に就職することにします。「銀行の仕事は想像を絶するおもしろさがあった」と語る出雲社長が、銀行員としての経験から学んだこととは。

日々の業務のなかで「刃を砥げ」ば、くだらない仕事なんてない

出雲 私は銀行に入行した時から、途中でやめて起業しようと思っていたので、いるあいだにできる限りのことを勉強して、得られる限りのものを得ようと考えていました。
 働き始めてすぐに、銀行って本当にシステムとして完成されていることに気づきました。自分が明日出社できなくなっても、銀行全体には何ら影響がない。最初は完成されたシステムのなかで価値を出すのは難しいと思ったのですが、日々のルーティン業務に注目していたら、そんなに難しいことではないような気がしてきたんです。

藤野 ほう、何をしたんですか?

出雲 簡単なことなんですけどね。たとえば、毎月の支店会議で使う資料のコピーを500枚とる仕事がありました。これは毎月みんな、前日からドタバタしながら足りないデータをかき集めて、当日すべり込みセーフするのが通例になっていたんですよ。でも、件数をまとめて出すだけなので、実は1週間くらい前から準備すれば2日前には9割終わった状態にできる。

藤野 まわりは驚いていたでしょう。

出雲 「何でもう終わってるの? これって前日にやるものでしょう」という感じでした。こういった作業は、伝統芸能のように同じルーティンを繰り返す慣習が残っていて、新人でも貢献できる要素がたくさんありました。コピーとりの仕事も、ATMにお金を詰める仕事も、気合を入れると全部おもしろくなるんです。「くだらない仕事なんてひとつもない」というのは、銀行で一番学んだことでしたね。

藤野 僕も新卒で野村アセット・マネジメント投信に入社した時、2年間くらいずっとコピーとりの仕事をしていたんですよ。

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コメント

kaname_zzz 「いつかはミドリムシ」がパンチラインすぎる - 5年以上前 replyretweetfavorite

sadaaki これ、すごくおもしろいです。コピー取りの話から、企業の話まで。 5年以上前 replyretweetfavorite

yaiask 13:39まで無料。ユーグレナ出雲社長と、藤野英人 @fu4さんの新人時代の貴重なお話!やっぱりたかがコピー取り、じゃないんですね。→ 5年以上前 replyretweetfavorite