先のGWは10連休と巷は大騒ぎであったが、いかんせんカネもヒマもない。近所をまんじりともせずにぐるぐると歩いていると、それを見透かしたように電話が鳴った。
「都内に大人のアミューズメントができましたよ。秘宝館、一緒に行ってみませんか?」
弾んだ声を出すのは夜遊びガイドのO氏。秘宝館と言えば、地方の温泉地で人目を忍ぶようにひっそりと営業されているイメージがあるが、まさか都内とは……。
ピンサロ通りを抜けるとカオスが
やってきたのは大塚。大人の歓楽街として名を馳せるこの街は、俺が実話誌記者時代さんざん“修業”した場所だ。北口から放射線上に延びる通りは「ピンサロ激戦区」で知られ、恐ろしく低価格の店に入っては、味のあるポン引き、店内アナウンス、それに輪をかけて味がある「社交さん」の手練手管を体験しては、禄を食んでいた。
「2回転1300円、3回転1800円」。10年前よりも価格破壊を起こしている看板を眺めながら通りを歩くと、その外れにド派手な花輪に囲まれた店があった。
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