接客が苦手です。

4/18にオープンした「わざわざ」の新店舗「問tou」。GW中、久々に店頭に立った代表の平田はる香さんは、たくさんの方に話しかけられ嬉しく感じるものの会話が続かず辛かったといいます。そんな平田さんが接客に際しての胸の内をつづります。

10連休という大型連休が終わり、平日が戻ってきました。サービス業に従事するわたし達にとって、GWやお盆は繁忙期になります。オープンしたての「問tou」で過ごした2週間のこと、書いてみたいと思います。


ポーチにはPh:dさんの協力を経て、座れて買える家具を展示している

とりあえず円滑に回したい

「問tou」は本屋・喫茶・ギャラリーを兼ねたスペースと銘打っているが、喫茶がお客様との主なコミュニケーションツールになっているのは間違いない。喫茶という形態が溶媒の役目を果たし、一般的な趣向のお客様が、ギャラリーや本に踏み込みやすくなる。

もし、ポーンポーンと静かに壺や絵画が置いてあるような広い空間を作ってしまえば、入りにくい雰囲気が人を遠ざけ、お客様は自ずと限られてしまう。公園内にあるという性質や市の公共施設内であるということを考えると、喫茶のしくみは外せなかった。

喫茶に何を求めるかは人によってそれぞれだと思う。わたしならば、メニューにおいしいコーヒーとドリンクと、ちょっとした食べ物があればそれでいい。あとは空間。居心地のよい雰囲気であることが一番大事になるかもしれない。飲み物や食べ物の提供スピードはそこまでは重視しない。


アイスカフェラテも全部計量して同じ味に

だけど、自分がやるとなると、できるだけ早く提供してあげたいと思ってしまう。お子様連れがいればお腹が空いているかもしれないし、喉が渇いているかもしれない。だから、営業前に仕込みをきっちりやる。あらかじめ一人分の豆を計量しておいたり、牛乳や自家製シロップを一人前に分けておいたり、普通のことだけど、備品の補充や冷蔵庫の補充もきっちり。オーダーが入った時にすっと「淹れる」や「作る」に入れるように、入念に準備したい。

GWスタート時にてんやわんやだったキッチンは、日に日に整備されて、毎日のように来客数が増えていっても、オペレーションはかなり成長していった。忙しかった日の翌日に、暇な時間ができてくると物足りないとみんなで話していた。もっとお客様がきたら嬉しいね。わたし達、もっとできるよね!みたいにテンションが段々と上がっていったのだった。


やっぱり接客はダメだった


オープン前にみんなで賄いを食べていざ開店

久々に店頭に立っているので、お世話になった方々や常連様や、遠くからきてくださった方に挨拶をされる機会が多かった。辛かった。笑。ツバメコーヒーの田中さん曰く「平田さんはプレゼントの包装紙の会話ができなくて、その中身そのものの会話をしたいんですよね」だ。これには深く頷いた。

例えば「この織物の産地はどこですか?」という質問がきたら、ものすごい勢いで話せるし楽しく感じる。だけど「これとこれどっちがいいと思いますか?」って聞かれたら、別にどっちでもいい。好きなの買えばいいじゃんと思っちゃう。

店であんまり会えないレアキャラなので、たくさんの方が話しかけてくださって嬉しかった。だけど辛かった(2回目)。「平田さんですよね?」と聞かれることも多く「はい、平田です。こんにちは」で会話が止まる。

多分向こうは「どちらからいらっしゃったのですか?」とか聞かれると思って待ってくれているんだと思うけど、聞かない。間合いをジリジリと詰める会話に興味がない。会話をいち早く止めて、コーヒーを淹れていた閉ざされたあのカウンターの中に早く戻りたい。あそこは高い壁があって安心する。

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わざわざ平田の思索日記

平田はる香

長野県東御市にある「パンと日用品の店 わざわざ」。山の上の長閑なこの場所に、平田はる香さんは2009年にひとりでお店を開きました。平田さんがnoteで公開した記事「山の上のパン屋に人が集まるわけ」が大いに反響を呼び、独自の経営スタイル...もっと読む

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コメント

biblio___mania https://t.co/z9hDVMZ81n 7ヶ月前 replyretweetfavorite

mayuotaki わたしは常に心の内部が露出している状態でノーガードなので、聞かれたことにそのまんま答えてしまう。要するに過度に正直である。他人もそうだと思っていた。だけど、大人になってそうではないことが段々とわかってきた。 共感する.... https://t.co/kZmcJOeJYq 7ヶ月前 replyretweetfavorite

osarucoffee2016 |わざわざ平田の思索日記|平田はる香|cakes(ケイクス) 激しく同意 我々は会話だけでなく、提供する物から店全体のもの全てを通じて会話してるんですよ。 意味なくメニューを置いているわけではないんですよ https://t.co/8v2wUEMlSw 7ヶ月前 replyretweetfavorite

Hoge_maru_htrm "こうやって飲み物や食べ物、空間や本、古物、展示品で会話を図る。体験してもらうことは、わたし自身と… https://t.co/ng8eoEw8GM 7ヶ月前 replyretweetfavorite