児玉雨子(写真左) 1993年生まれ。2011年に静岡朝日テレビ『コピンクス!』の主題歌「カリーナノッテ」で作詞家デビュー。以来、ハロー!プロジェクトのアイドルグループや寺嶋由芙に作詞提供。アニメ『青春ブタ野郎はバニーガル先輩の夢を見ない』のエンディングテーマ「不可思議のカルテ」や、アーケードゲーム『星と翼のパラドクス』の同名主題歌を作詞。また近田春夫の38年ぶりのアルバム『超冗談だから』では6曲の詞を手がけた。
アイドルを軽んじていたDQNがどうしてアイドル曲の作詞を始めたのか
竹中夏海(以下、竹中) アイドルダンスと歌詞のリンクについては以前書いているんだけど、作詞家さん目線のお話も伺いたくて今回は仲良しの雨ちゃんをお呼びしました。
児玉雨子(以下、児玉) よろしくお願いします。一旦CM。
竹中 早いな! リラックスしてますね、いいですね! 私が初めて仕事でご一緒させてもらった時、雨ちゃんはまだ大学生だったよね、金髪の。作詞家活動を始める前は作家志望だったんだっけ?
児玉 高校生の時にある文学賞に応募したら、途中までひっかかって。でも小説家になりたいとはあんまり思ってなかったんですよね。
竹中 え、じゃあなんでその時小説を書いたの?
児玉 ちょうど3.11の震災の後だったんです。それで予定が全部なくなって、漫画を描こうと思ったんですね。
竹中 どちらかといえば漫画家志望だった?
児玉 そうなんですよ。で、プロットを書き始めたら小説っぽくなって。じゃあこっちで行くか、と20日間くらいで一気に書き上げて文学賞に応募しました。 それが途中まで引っかかったことがきっかけで、父の知り合いのテレビのローカル局のプロデューサーの方から声を掛けて頂いて。当時まだハロプロ研修生だった「宮本佳林ちゃん(現Juice=Juice)という女の子がナレーションをする番組のオープニング曲を、フル尺にしたいと思ってるんだけど、その詞を書いてくれないか」という依頼でした。それがこの仕事をするようになったきっかけですね。
竹中 その番組が『コピンクス』。
児玉 はい。そのまま毎シーズンの曲の詞を書かせてもらって、そのうち他からもオファーを頂くようになりました。
竹中 インディーズ時代の夢みるアドレセンスだね。
児玉 そうです。夢アドのメンバーの荻野可鈴ちゃんが、その番組のキャラクターの声優をやることになったご縁で。そこで竹中先生とも知り合いましたよね。
竹中 うん、私もちょうどインディーズ初期の夢アドの振付を担当し始めた頃で。雨ちゃんが作詞した曲の歌詞カードを初めてもらった時は衝撃でした。振りを作るのが楽しくて。最初にやったのってなんだっけ?
児玉 「キャンディちゃん」ですかね?
竹中 そうだ。詞を見て今まで使ってなかった脳細胞がボコボコ覚醒していくのを感じながら振付作ったのを覚えてる。だって意味分かんないじゃん、「キャンディちゃん」って。誰なの?(笑)
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