安心、安全な“ねぐら”があるから休める
体調がすぐれず、「学校に行きたくない」と思うことは、だれしもあるでしょう。
そのときに「何言ってるの、本当にお腹が痛いの? 仮病じゃないの?」とか「この前もそう言って休んだけど、家で遊んでいたじゃないか」と言われたことはありませんか?
悲しいですよね。それこそストレスでお腹の痛みが倍増しそう。
自分の「行きたくない」という言葉を、親がどう受けとめてくれるか、子どもとしては大問題です。
そこで自分の主張を否定されるのではなくて、「そうか、じゃ、今日は休みなさい」と言ってもらえると、ホッとする。自分の主張が通るという自由が保障されたという安心感と、親が自分を信じてくれているというダブルの安心感があります。
安心できる環境が自分を支えてくれているのは、ありがたいことなのです。
10年ぐらいの間ひきこもりになっていた人が、回復してから振り返って言っていました。
「『うざい』『放っておいてくれ』とよく家族にどなっていたんですけど、本当のところは放っておかれたくなかったんです」と。
「まだ行けないのか」「早く何とかしないといけない」とか、そういうことは言われたくない。イライラしてしまう。けれども、完全に放っておかれるのではなくて、情報はほしかったのだそうです。
その人のお母さんは、日常のことを普通に伝えてくれたそうです。
「今日は寒いなあと思ったら、やっぱり雪が舞ったよ」
「道で小学生のときの同級生の○○君に会った。○○高校に行っていて、部活で吹奏楽をやってるらしいよ。トランペット吹いているんだって」
「お姉ちゃんに彼氏ができたらしい」
そんな話を、何も答えないその人にただ話してくれていたといいます。
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