地元ガイドと食べ倒す!ローカルフードのつまみ食いツアー

「ポルトガル食堂」の連載でもお馴染みの馬田草織さんの最新刊『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』の特別公開。ポルトガル第2の都市、ポルトのフードツアーへご一緒に!

1章ポルト つまみ食いツアー

  ポルトには、フードツアーなるものがあると聞いた。

 ホームページの詳しい案内を読むと、地元ガイドが観光客向けではない地元の人御用達の食品店やカフェ、酒場などを案内し、実際に食べたり飲んだりしながら、食材や料理に関する歴史やを聞かせてくれるという。

 つまり、ポルトっ子主催のつまみ食いツアーだ。そんな面白そうな企画、参加しない理由が見つからない。早速予約を入れた。返信メールには、歩きやすい靴で参加してとあった。どうやら3時間半で6軒巡るらしい。  待ち合わせは、ポルトの台所といわれる『ボリャオン市場』のすぐ近く。案内してくれるのは、生まれも育ちも生粋のポルトっ子女性のサンドラ。参加者は私達日本人親子に、アメリカから来た大学教授夫妻の計4人。年齢も国籍もバラバラだが、チームは早くも心ひとつ。だってみんなの目的はただ一つ、ポルトの町を存分に味わうことだからだ。

 100年以上の歴史を持つボリャオン市場は、老朽化のため2018年春から2年間かけて新しく生まれ変わる予定だという。

 以前市場を訪ねたときは、2階建てで見渡せる程度の敷地の中に、まるで腸詰のジャングルのような肉屋、瑞々しい野菜や果物が並ぶ青果店、香りの洪水のようなスパイスの店、ほかにもオリーブ、パン、チーズ、菓子、豆にお茶、土産物に花など、あらゆる店がひしめき合っていた。市場ならではのあの雑多でマニアックな雰囲気は、これからどんな風に変わるのだろう。

 市場の向かいの通りには、市場と同じくらい長い歴史を持つ老舗の店が並ぶ。食料品店(メルセアーリア)や、ショーケースに並ぶ黄色い菓子がまぶしい菓子店(コンフェイタリア)などは、夕方という時間帯もあり、地元客の出入りが絶えない。ツアーは、その賑やかな食料品店からスタートした。

ロミオとジュリエット

『ボリャオン食料品店』は、ポルトガルの食文化をざっと掴むにはちょうど良い場所だ。

 通りに面した入口を囲むショーウィンドウには、左側が各地方産の大小さまざまな腸詰やスモークハム、干した豚の耳やバカリャウ(干し鱈)、干しダコなど、動物系たんぱく質の加工品が並び、反対の右側には、これまた形や色、大きさの違うパンや黄色い菓子類、ジャムやお茶などが並ぶ。

 どちらも上部にはワインがずらり。

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この連載について

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ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅

馬田草織

人生を変えてしまうような味に会いたい! ポルトガルの食をまるごと味わうコラム満載。家庭のキッチンから街角のレストランやカフェまで、縦横無尽に訪ね歩いた、めくるめく食旅エッセイ!

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